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2016年を振り返る

12月28日.


2016年も残すところあと3日となりました.


ちょうど10年前の2006年のブログを読んでいたら, ハワイから一時帰国して,箱根や横浜を旅行したときの様子が書かれていて, あの旅行はハワイでの厳しい留学生活から逃れることを許されたひとときだったこともあって,本当に本当に心から楽しめた旅であったことを思い出し,ああ,あの旅行から10年が過ぎたのだなあ...となんだか感慨深い気持ちになるとともに,この10年は,本当にいろいろな出来事があり,自分の生活やキャリアがめまぐるしく変化した期間だったことを実感した次第です.


この10年の中でも,今年,2016年は,特に大きな変化があり,自分の人生にとって節目の年になったように思います.

2016年1月.  
現在の所属先である大学が准教授のポストを募集している記事を,J-RECINで見つけました. 着任が10月となっていたのが気がかりだったけれども(→ 年度途中で退職することに対する後ろめたさ. また,もしかするとすでに候補者が決まっている出来レースで,形式的に公募しているだけなのではという不安), 自分の専門性と経験が,公募要項から伝わってくる先方のニーズと合致するような気がして,応募することを決める.


2016年2月.
応募することを決め,書類の準備を始める.  指定されたエクセルシートに,履歴書,研究業績,教育業績,抱負のエッセイ,自薦書など,書き込んでいく作業に2週間程かけたような気がする. 作業をしながら,絶対にこのポジションを勝ち取りたい,いや,勝ち取りに行くんだという強い気持ちがわいてきたことを覚えている. そして2月下旬,明日から入試関係の仕事で身動きが取れなくなるという日の夜,あわてて福岡市内の郵便局に駆け込み,書類を送付した. そのときの,書留の記録は今でも大事に取ってある. 


2016年3月.
二週目の金曜日のお昼に,「書類審査を通過したので面接に来てほしい」というメールが届く.  まずは,書類作成に費やした時間と労力が無駄にならずに済み,次のステップにつなげられたことを嬉しく思った. 当日のスケジュールは,最初に模擬授業を行った後,研究発表,その後,英語と日本語の面接と続き,1時間ほどで終わる,と書かれていた. ここまで来たら絶対に勝ち取りにいかなくてはならないというさらに強い気持ちになる. しかし,3月末に行われる面接に行くために,すでにエントリーしていた四万十川マラソンと高知での宿泊をキャンセルしなくてはならなかった. あのとき,「この日は,四万十川マラソンの日なので面接は別の日にお願いできませんか」と返信していたらどうなっていただろうか. 考えるまでもない.  このメールを受け取った後から面接当日までは,研究発表のスライド作成と発表練習にほとんどの時間を充てたと思う. おそらく学会発表の時よりも丁寧な準備だった. 

面接当日は,研究発表より模擬授業の方が緊張した. 「面接官が学生を演じるので,当ててもらっていいですよ」と事前にメールで説明を受けていたので,遠慮なく,面接官の先生方を巻き込もうとしたのだが,「ではそこのあなた」と指名した先生がひどく困惑されておられたので(目も笑ってない),どうやら共通理解が構築できていなかったのだろうと即座に判断し,1人で淡々と進めることにした. その後,面接はフレンドリーな雰囲気で進んだと思う. 


2016年4月.
「委員会としてあなたを推薦するという決定に至りました」というメールが届く. よかった. 1月に公募が出た日からこの日まで約3ヶ月の間,ほとんどの時間を書類や模擬授業の準備,スライド作りに充ててきていたので,努力が無駄にならなかったことを心から嬉しく思った. しかし,まだ,最終の決定ではない. これから,教授会,全学の委員会での審議が続くので,追加の書類を提出してほしいということだった. 加えて,研究業績の「原書」を送付してほしいとのこと. コピーではだめで,オリジナルでなければならない,とのことで,例えば,辞書の場合は,辞書をまるごと郵送で送らなければならない. また,招聘講演の場合は,それを証明できる先方からの依頼メールを提出してほしいとのこと.  なんだか結構大変...と思ったが,実際,本当にこれらの作業は大変だった. しかし,新学期の授業が始まる前のことだったので幸いだった. この過程で,業績の出版月が間違っていることが判明したり(年は覚えていても月はうる覚えであることが多い),担当の先生にはご迷惑をかけてしまった. 


2016年5月.
学部の授業と大学院の授業と修士の学生の論文指導など,慌ただしい日々. ふと時間ができると,審査の結果がここで覆されたらショックだなあ...とついネガティブ思考になる.  


2016年6月.
一週目の金曜日に,「正式に採用が決まりました」というメールが届く. よかった. 絶対に勝ち取りに行くんだと決めてコツコツと取り組んできたので,本当に勝ち取ることができて純粋に嬉しかった. メールを受け取った後すぐ部局長のF先生にアポを取り,「9月いっぱいで退職したい」と伝える. F先生はドイツ語がご専門の先生だが,私の退職を「ああ,やはりこの時が来てしまったか」という言葉でひどく残念がってくださった. しかし,引き止めることはなく,新天地での仕事が決まったことを心から祝福してくださっているようだった. 私と同じ関西の出身の先生なので,関西の大学に決まったことを知り,「ぼくも戻りたいなー」とか少年のようなことをポツリとおっしゃっていた. この大学に不満があったわけでは決してなかったので,なんだか申し訳ない気持ちで一杯になった. でも,もう前に進むしかない.


2016年7月.
大学の転出が正式に決まったので,新しい場所で住む家をどうしようか考え始める. 約15年ぶりに故郷に戻ることになったのだが,幸いにも両親はまだ元気にしているし,同居して介護ということもまだ考えなくてよさそうである. 退職後,自分の家くらいはあったほうがいいだろうという意見もあり,マンションを購入することにした.  早速,SUUMOという分譲マンションの情報サイトに登録すると,ニーズに合ったマンション情報が日々送られてくるのである. なにこれ面白い! これまで無縁だった世界. 7月中,行き帰りの電車の中はいつもSUUMOのサイトを見ていた気がする. 間取り図を見ながらどんなマンションか想像する時間は楽しく充実しており,家探しがこんなに楽しいものだったことを生まれて初めて知る機会となりました. 

7月下旬の連休を利用して,SUUMOで見つけたマンションを見に行き,いくつか候補を見せてもらった後,純粋に「ここに住みたい」と思ったマンションを契約することに. 生まれて初めてローンを組むので不安も大きかったのだけれど,ここに決めて正解だったことを今,実感している.


2016年8月.
遅れていた論文の執筆を進めつつ,マンション購入に必要な手続きを行う. すべて初めてのことなので,正直なところ何がなんだか分からず,不動産会社の担当の方の言われたとおりに動くしかなかった. 「これってボッタクリじゃないんですか?」って聞きたくなる場面とか「ディスカウント!プリーズ!」とか言いたくなる場面が多々あったような気がするのだけれど,この項目はこの金額,この作業はこの業者,というようにあらかじめ全ての手順が決められていて,購入者の方は意見を述べることはできないしくみになっているように見えた.  しかし,不動産会社の方々は,このようなしくみがなければ生活できないのでしょうし,まあ仕方ないのでしょうね...と消費者に思わせてしまうしくみになっているんですね,きっと. 初めて見る大きな金額に頭がクラクラして不安にかられることもあったのですが,もう前に進むしかない. 印鑑をこんなにいろんな書類に押しまくったのも,これが初めてかもしれません. 非常に良い勉強をさせていただきました.


2016年9月.
転出に伴う諸々の作業が入りつつも,論文は二本書き上げることができた. 10月に入ると,きっと怒濤の忙しさになると思うので,とりあえず,形になってよかった. いよいよ9月末に引越である. 自宅と大学の研究室と,2カ所の引越があるので,荷造りは大変になるだろうなあと思っていたけれど,終わってみればそんなに大変じゃなかった気がする. これまで何度も引越をしてきているので,いつのまにか「荷造りのプロ」になっていたのかもしれない. 引越の業者さんにも,「段ボールへの荷物の入れ方と分類の仕方がうまいですね」とお褒めの言葉をいただきました. ふふ. どういう基準なのか分からないけれども,褒められると悪い気はしない. 

9月22日に大学の荷物を出し,翌日の23日に自宅の荷物を搬出. その後,25日に神戸の自宅で荷物を受け取り,27日に新しい大学で研究室の荷物を受け取る. こう書くと,なんだか大変そうに見えるが,あまり大変ではなかった. 片付けはそれぞれ一日で一気に終わらせた. 本当に引越のプロなのかもしれない. そのうち,自宅のドアにクロネコのマークがついているかもしれない. にゃお.


2016年10月
新しい大学での仕事が始まる. みなさんいい方々ばかりで,温かく迎えてくださる.  学生は前の大学のときと,レベルも授業の様子なども大きく変わらない感じ. 前任校と同じく,学士過程は,全学部の英語を担当するので,どちらかというと「英語は苦手」という学生層の方が目立つ印象.  ニーズが多岐にわたるので,それに応えようとするのは大変なのだけれども,学生が興味を持って取り組んでくれるのは自分の喜びでもある.  大学院の授業は,好きなことができてとても楽しい. 学究心のある学生がディスカッションに積極的に参加してくれることほど,有り難く充実したひとときはないと感じる.


2016年11月.
新しい大学はクオーター制を導入しているので,最終週に試験があった. 「試験がある」ということは,「試験を作る」ということと「採点をする」という二つの仕事が付随するわけですので,セメスター性のときより,仕事量が2倍になった印象を受ける. それは,学生も同じことなのだろう. なぜクオーター制にしているのか表向きの理由は聞いているけれど,それが本当に必要なことなのか理解できないでいる. 理解して納得するのにもう少し時間がかかりそう.  


2016年12月.
今年最後の月になった. 1年の経過を文字化してみると,短い間に本当にいろいろなことがあった1年だったし,新しい大学での仕事や15年ぶりに故郷に戻ってこれたことやマンションを購入したことや,自分にとっては大きな出来事が起きた1年でもあった. 前の大学で一緒に仕事をしていた同僚の先生がこのクリスマス休暇に神戸に遊びに来てくださり,福岡を去った後も,ご縁が続くようなお友達を作れたことも,自分にとっては大きな出来事だった. これまで引越が多かった分,「一期一会」的な関係で終わってしまうことが多かったので.


2016年が素晴らしい一年になったことに感謝しつつ,お世話になった方への恩を忘れず,2017年も努力を重ねて,さらに良い一年にしていきたいと思います. 3月にマラソンを逃してから練習がおろそかになっているので,こちらも練習を再開しなければ.

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