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東京

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出張で東京にやって来ました.

首都高から見えた東京タワー.

スカイツリーの登場で,最近は陰が薄くなってきているが,わたしは今でも東京タワーの方が好きである. この赤と白の塔が目に入るといつも写真を撮りたくなり,反射的にデジカメを手にしている. 長く東京のシンボルとして君臨してきた歴史の重みがそうさせるのかもしれない. 青く光るスカイツリーに向かって「おまえ,最近生意気なんだよ(ちょっと青いからっていばってんじゃねえよ)」と東京タワーは怒っているに違いない. 

久しぶりの東京は,羽田空港で間違えて男子トイレに入ってしまうという失態で幕を開けました. 個室が一つしかなくて狭いトイレだなーと思って中に入ったのだが,目的を果たして個室のドアを開けると,ビジネススーツを着た男の人たちが一列になって並んでいる. うわ. そのとたん列に並んでいた男性全員の目がこちらに向けられました. ひゃー. みんな目が泳いでいる. 人間というのは驚いた時にこういう表情をするのだなーということを学ばせていただきました. というかおまえが一番びっくりせえよという話だ. いやそんなことよりも,男子トイレに忍び込んだ罪で通報されて逮捕されたらどうしようかと思いました. 最近,本学の教授(男性)がデパートで女性用スカーフを万引きして逮捕されたというニュースがあったばかりですし. というかスカーフ欲しかったんですね,先生. わたしにはそのような悪意はありませんでした. いずれにしても通報されなくてよかったです.

人生「初」の男子トイレを経験して動転していましたが,無事に空港を出て,バスに乗り,首都高から東京タワーを眺め,渋谷駅に到着. そして,会議が行われる東京大学駒場キャンパスへ. 久しぶりにSUGOCA(福岡限定)ではなくPASMOを使う自分が何か都会の人みたいに思えて嬉しくなる. 

今年度から,科研費の共同プロジェクトを,都内の大学の4人の先生方と一緒にやらせていただくことになった. 日本人大学生を始め,中国や韓国など東アジアの大学生の「書く力」に関する調査を4年がかりで行うという大掛かりなプロジェクトで,これから,班ごとに分担してデータを取り,様々な角度から分析を行うことになっている. 特に,カリキュラムの実態調査は,Kobayashi & Rinnert (2002)を読んだ頃から,自分もこのような国レベルの調査をやってみたいと思い続けていたので,今,それが実現しようとしていることが夢のようである. 

今日の会議では,surveyの項目を作成. それ以外にも,ライティング授業のアイデアなど,先生方からたくさん学ばせていただきました. こうして学外の先生と交流することはとても大事なことなのだなと改めて思いました. このようなプロジェクトに携わる幸運に恵まれたことに本当に感謝である. 同じことをあきらめずに続けて常に前を見ていれば,幸運というのは巡ってくるものなのかもしれません. その過程は,楽しいことはほとんどないかもしれないけれど.

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今朝は,何と予約した福岡ー羽田便が「ポケモン・ジェット」だったという幸運にも恵まれました. 飛行機が黄色い! イエロー

空を飛んでいる間は機体が見えないのだけれども,何かすごく得をした気持ちになりました. 飛行機を降りると,ビジネススーツを着たおじさまたちもポケモン・ジェットの写真を撮っていました. やはりみなさん同じ気持ちなのですね. というか早く仕事行ってください. 自分もだけど.

充実した一日. 東京に来れてうれしい.

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Papyrus

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アメリカに,グリーティング・カードを制作・販売している"Papyrus"という会社があるのだが,

ここのグリーティング・カードは,実にすばらしい.

そのデザイン,色の配置,全体のバランス,何を取っても斬新でクオリティが高い. 細かい点一つ一つがしっかり計算しつくされた上で実現しているようで,これはもう「芸術作品」の域に達しているといっても過言ではない. It is not too much to say that ... (ああ職業病が…)

ネコを3匹並べて(写真(上)左上),それだけじゃつまらないので,カップケーキを食べてる姿にしましょう,でも,カップケーキだけじゃつまらないので,そのカップケーキのラッピング・ペーパーにそれぞれ違う柄を描きましょう,でもそれだけじゃつまらないので,ネコの首輪のデザインも変えちゃいましょう,でもそれだけじゃつまらないので,ネコの色をそれぞれ変えて,グレーと白黒とホワイト,そして,真ん中のネコの目は白にしちゃいましょう,そいでもって,ベースのカラーはド派手はショッキングピンクでいきますよ...うひょーどうだい?というようなことを,一体誰がどのようなタイミングで思い付いているのだろうか. 気になります.

お猿さんが木の上からターザンのごとくギフトを運んで来てくれるのだが(写真(上)左下),ターザンの場合だと,勢いあまって危うく本人にプレゼントを渡し損ねてしまう可能性があるので,木の上から身を乗り出す形でプレゼントを渡すことにいたしましょう,でもどうやって?そうだ,シッポをくるくるくると巧みに枝に巻き付け,そこを支えにして体全体を下に伸ばせばいいのだ,後は重力に身をまかせて.ウキー!ウキー!ウキキー!...というようなことを,一体誰がどのようなタイミングで思い付いているのだろうか. 気になります.

一枚のカードを制作するのに,アイデアの段階から,一体どのくらい時間をかけているのでしょうか. そう思うと,一枚のカードにすごく重みを感じます. 

ご職業は?という質問に,「グリーティング・カードを作っています」と答えられるって,何かとても素敵なことに思えます. 

子どもたちだけでなく,大人にも夢を与えてくれる仕事.

シカゴ空港で夢をたくさんもらい,あれもこれもと買い占めて,成田行き飛行機に乗りました.

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7年

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オーストラリア,メルボルンから,とても素敵なお手紙が届きました.

前にメルボルンを訪れた時にはこんなに小さかった赤ちゃんが,こんな文字が書けるようになったこと,海を挟んだ距離を超えて思いを伝えるためにこんなお手紙が書けるようになったこと,手紙の左上に☆☆マークを描いてみよう!という知恵を生み出せるようになったこと,何かとても感慨深いものを感じて,手紙を読みながら目頭が熱くなりました.

そして,7年という年月は,人間をこんなふうに成長させ,変化させるのだということ. 改めて,「7年」という年月の重みを実感しました.

そして,7年前,この世を去った友人がもし生きていたら,今頃どんなふうになっていただろうということを考えました.

友人ができなくなってしまったことが自分はできていて,友人が果たせなかったことを自分は果たせる可能性があり,そのことはほんの偶然に過ぎず,生命が与えられるという偶然に自分はたまたま恵まれているのだということが,7年間,いつも自分の支柱になってきました. 

7年間,自分にはいろいろなことがありましたが,全て乗り越えてこれたのは,その支柱が自分を支えてくれたからだと思う.

この時期が来ると,いつも中嶋さんに感謝をしている.

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帰国

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三日間のパデュー大学滞在を終えて帰国.

インディアナポリスからシカゴまで1時間. 
シカゴから成田まで13時間.
成田空港で3時間待った後,
成田から福岡まで2時間.

長い.

福岡空港に着いた頃には,前日にパデュー大学の宿舎で起床した時刻から,約24時間が経過していました.

長ーい.

さすがに疲れました.

成田空港は快晴だったけれど,福岡空港の外に出ると大雨. スーツケースとラップトップで両手が塞がれているので,これだと傘がさせない. 周りの人たちが外で待っていてくれた家族の車に乗って行く姿を見て,いいないいないいなーと心の底から羨ましく思うと同時に,何だか悲しくなってしまいました.

大雨の中,電車と徒歩では帰れそうになかったのでタクシーを利用. しかし,福岡の道路のことが分からないので,自宅のマンションの場所をうまく説明できないという始末. とりあえず近くにある小学校の名前を言ってみたのだが,運転手さんに分かってもらえず,うーん困ったなと思っていると,小学校の名前が間違っていたことが判明. 「高取」小学校というべきところを「高倉」小学校と言っていたことに気がつく. 高倉小学校は神戸の実家の近くにある小学校でした. クラでもトリでもどっちだっていいと思うんですけどね,タカがかぶっていれば. まあそういうわけにもいきませんかね.

その後は,福岡に来て以来,様々な場面でおなじみとなっている会話が続く.

「最近福岡に来られたんですか?」
「はい,この4月に」
「そうですか.お仕事で?」
「はい,まあそうです,こちらで仕事が決まりまして」
「そうですか.ご主人の転勤で?」
「いえ,ご主人じゃなくて私のです(というか「転勤」というのは適切じゃないけど)」
「えー,それはそれは.どういう業種ですか?」
「うっせーよ」*

*最後の台詞は心の叫びであり,実際には発話されていません.

運転手さんは会話を発展させようとして一生懸命だったのだと思いますが,「またこの質問か」といううんざりした想いと,24時間の移動時間でたまった疲労と,自宅の場所をうまく説明できないような馴染みのない土地に一人で来てしまったのだという孤独感とが一気に押し寄せてきて,何かに誰かにすがりつきたいような気持ちになりました.

成田から福岡に向かう飛行機から富士山が見えました. 

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パデュー大学で

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パデュー大学にやって来ました.

学会一日目が終了.

発表も無事に終わりました.

学会は,やはり貴重な勉強の場である.

「よかったですよ」というたった一言でも(たとえ社交辞令であっても),何かフィードバックをもらえると励みになるし,費やしてきた時間と努力には意味があったのかもしれないと思える.

そして,人の発表から,新たな見方とか気づきが得られること. そういう視点を与えてくれる人と知り合えること. これが学会の一番の財産だと思う.

まだ神戸にいて大学院生をしていた頃,大阪のサイマル・アカデミーという通訳学校で英語を勉強していたことがあった. 今振り返れば,サイマルで素晴らしい先生と出会えたことが,今の職業に就く原点になっていたような気がする. アメリカの大統領がクリントン氏だった時代で,モニカ・ルーインスキー(そんな人いたな−なつかしー)との不倫問題を"TIME"で読んだりして,日本語でよく耳にしているニュースが英語だとこんなふうに表現されるのか!という発見が当時の自分にはとても衝撃的だった. Japan TimesとかDaily Yomiuriとか英字新聞を定期購読し始めたのもこの頃だった. 英語の面白さに気づかせてくれたのが,大阪のサイマル・アカデミーだったのだ. 

なぜ学会から突然サイマル・アカデミーの話に脱線したかというと,そのサイマルで出会った先生の中で,自分に最も影響を与えてくれたK.A先生と,この学会で再会することができたからである. そして,なんと今日の私の発表を聴きに来てくださったのである. K.A先生は,10年程前に大阪サイマル・アカデミーをお辞めになられ,現在は,東京大学で教鞭を取っておられるとのこと. うーん,東京大学. やはりこれほど力のある人材を,東京大学が放っておくはずがないですよね. 

自分から話しかけるということがあまり得意ではないのですが,K.A.先生のお姿を目にしたときは,もう身体が勝手に動いていました. 「先生!私ですよ!私!覚えてますか?」という感じのノリではありませんでしたが,「大阪のサイマルで教えていただいていました」と言うと,先生は「えええーーっっ」と非常に驚かれていらっしゃいました. そして,元教え子との再会をとても喜んでくださり,ランチにメキシカン料理のお店に連れて行ってくださいました. 今の職業に就くきっかけを与えてくれたと言っても過言ではないK.A.先生と同じテーブルでタコスを食べていること,そして研究や大学での仕事について同業者として話をしていること,本当に夢のようで,こんなことが本当に起こるなんてすごすぎる,これはもう神様がいるとしか思えないとかそんなことばかり考えて若干興奮気味になってしまい,タコスがうまく食べられなくてテーブルがぐちゃぐちゃになってしまったのが恥ずかしかったです. それにしても,アメリカの食べ物ってどうしてこう何でもでかいのでしょうかね. 「竹の足踏み」みたいなタコスでした. # というかこの例えはどうなんでしょうか.

K.A.先生との再会で,大阪サイマル・アカデミーでのことが一気にフラッシュバックしてきました. そういえば,そこで一緒に勉強をしていた男性が数年後に婚約者になったのだった. 高校の英語の先生をしていて,実は教育実習に行った時の指導教官だった. サイマルに通い始めたのも,彼がきっかけだったのだ. しかし,その後,サイマルの先生のようになりたいという夢を捨てきれず,オーストラリアに留学するのか,その男性と結婚するのか,どちらかを選択しなければならない状況になり,結局,オーストラリアに留学することを選択したのだ. その選択が今につながっている. でも,その婚約者に匹敵するような素晴らしい男性と出会うことはそれ以降なく,これからもきっとないと確信できるという点で,人生の節目での「選択」というのは「trade-off」でもあるのだということを私は学習した. そして,他人の心を傷つけた人は,相手に与えたのと同じくらい,あるいはそれ以上の痛みを味わうことになるということも. 

K.A.先生との再会で,原点に立ち返り,なぜ自分は今の自分になったのかという歴史を振り返ることになった. 自分にとって大事な時期に,大事な学会でこのような振り返りの機会をもらえたことは意味があったのかもしれない. 益々遠いところに行ってしまったK.A.先生を新たな目標にして,また一歩ずつ進んでいかなくては.という思いを強くしました.

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明日から

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明日から学会出張で,パデュー大学(West Lafayette, IN)に行って来ます.

飛行機に乗って外国に行くことは,もはや新幹線に乗って神戸に行くこととあまり変わらなくなっていて,昔に感じていたようなワクワク感は全くありませんが,学会で勉強できたり他の研究者の方々と知り合えることはとても楽しみです.

今日は同じ階のドイツ人の同僚の先生と立ち話をしていて,明日からアメリカ出張なんですよという話をしていたのだが,別れ際に,「アメリカイイですねー,でも,タイホされないようにキをつけてクダサーイ!」と言われて,サンキューと返事したものの,内心,え?と思いました. タイホ? 

「タイホされないようにキをつけてクダサーイ!」という挨拶は,"Have a safe trip!"と同じような意味を持つのでしょうか. もしかしたらドイツ語にそのような表現があるのかもしれません. えー. 初めてそんなことを言われたので少し驚きましたが,でも,実際,空港で知らない人から,すみませんがこのスーツケースを持ってくれませんか?と頼まれ,はいいいですよと快く引き受けて入国審査を通過したら,そこで覚醒剤密輸容疑でタイホというケースは珍しいことではないので,ドイツ人の先生が言ってくれたように,タイホされないように注意したいと思います. オレンジの囚人服は着たくないです. 

アメリカ出張から戻ったら,9月末までに終えなければならない膨大な量の仕事を一つずつ片付けていかなくてはいけない. まず論文の査読,そして,別の学会に出すプロポーザル,そして,科研プロジェクトで使うアンケート項目作成,そして,そのプロジェクトの打ち合わせのため東京出張. その間に,書きかけの論文を二本書き上げてしまいたい. そうこうしているうちにあっという間に9月も終わって後期授業が始まる. はふはふー.

学位を取得したとたんに,あちらこちらから仕事が舞い込んでくるようになりました. たまたまタイミングが重なっただけなのか,それとも学位というものがそれほどに大きい意味を持つからなのか,よく分かりません. でも,これを"springboard"にしなくてはいけないということは理解できています.

パデュー大学でしっかり勉強してきたいと思います.

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38℃

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今年も暑い夏でした.

一日の最高気温が38℃ともなれば,写真の麦ちゃん(実家近所の柴犬)のように,うなだれて眠るしかありません. というか人間はクーラーのきいてる部屋で過ごせていいですよね(なんで私はタイルの上なのさ?え?フェアじゃない!)と,麦ちゃんは夢の中で人間中心主義社会について不平を漏らしていることでしょう.

しかし,同じ38℃でも,これがお風呂のお湯の場合だとどうだろうか. 麦ちゃんが38℃設定のお湯につかったことがあるのかどうかは不明だが(伊藤さん家のワン子だから伊藤さんに聞かないと分からない),おそらく,38℃のお湯は快適に感じられるはずだし,冬の場合だと,ちょっと「ぬるい」くらいではないだろうか. 

38℃の日は暑いのに,38℃のお風呂に入ると熱くないのはなぜか?

お風呂の温度設定のボタンを押す時に,こんな素朴な疑問がふと沸き起こることがこれまで何度かありました. でも,「なんででしょうかねー」,「暑い(空気)と熱い(液体)の違いでしょうかねー」と思うくらいで,それ以上追究することは一度もありませんでした.

しかし,この疑問を解決すべく立ち上がった中学生がいたそうだ. そして,第43回自然科学コンクール(シゼコン)で入賞し,文部科学大臣奨励賞を受賞したそうである.

結果を読んで,なるほどーと感心いたしました. でも,このリサーチは,結果よりも,その「過程」がすばらしい. これこそが科学なのだなと思いました.

「なんでかなー?」「なんででしょうかねー?」で終わらせてはいけない,ということを教えられた気がします.

原点に立ち返らせてくれる興味深いニュースでした.

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