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The "Fukuoka-hating" stage

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前述した博士論文に関してだが,締め切りが三日後に迫っていたので,国際郵便のエース的存在である"EMS"でも間に合いそうになく,国際貨物輸送のキング的存在である"Fedex"を利用することにした. キングであるからしてロゴマークの色だってシンプルな黒とか青じゃなく,まさかの紫とオレンジ色という組み合わせだ. こんな色をボディーに持つのはなすびとにんじんとFedexくらいだ. さすがキングである.
  
しかし,ここは東京じゃないことを忘れていた. 福岡に果たしてキングFedexってあるのだろうか. と思って調べてみたら,職場からも自宅からも遠いところにあるようだった. 東京だったら駅前にあったものが,ここでは何でも遠くにあるのだ. 三井住友銀行も東京三菱UFJ銀行も遠くにしかない. やはりFedexもそうだったか...と思っていると,"Fedex"じゃなくて"Fedex Kinkos"でも国際貨物を受け付けているという朗報が舞い込んできた. 朗報と言ったのは,"Fedex"じゃなくて"Fedex Kinkos"だと,職場からも自宅からも比較的近いところにあるからだ.

比較的近いところにある"Fedex Kinkos"は,赤坂にあった. しかし,赤坂といっても東京都港区のTBSがある赤坂じゃなくて,福岡市中央区の赤坂である. 驚いたことに,福岡市中央区赤坂のFedex Kinkosは24時間営業をしているという. これは有り難い. それに24時間働くなんてプロフェッショナルじゃないか. 福岡にもこんなプロフェッショナルなところがあったんですねやればできるじゃないかと思いながら,仕事帰りに赤坂のFedex Kinkosに立ち寄ったのだ. その時は,その後に起こることになる悪夢を知る由もなかった.

受付の女性に「Fedexの送付状を下さい」と伝えたところ,はいお待ちくださいと言って渡されたのが「Faxの送信状」だったところから悪夢が始まったのだ. 私の関西仕込みの日本語が博多の方には聴き取りにくかったのかもしれないが,それにしても「Fedexの送付状」が「Faxの送信状」と伝わってしまったことは,初めての海外旅行で"Cappuccino"と注文したら"Cup of tea"が出て来た時と同じくらい心が傷ついたのである. それはともかく,「いえFaxじゃなくてFedexです」と訂正すると今度はちゃんと伝わったようで,5分くらい待たされてようやくFedexの送付状をもらうことができた. というか,ただの送付状だけでなんで5分も待たされるねんというツッコミをここで入れなければならない. しかし,そんなこと以上にツッコミを入れる必要があったのは,その送付状がシワクチャだったことである. これシワクチャですよねシワクチャですよねシワクチャですよねという心の声が3度くらい響く中,その受付の女性の「申し訳ありません.この1通しかないのですがよろしいでしょうか?」という声が聞こえてきた. というか1通しかないんかい. 国際貨物を受け付けますと宣伝している以上,少なくとも2通は送付状を置いておくべきではないだろうか. というか2通でも少な過ぎるって話だ. ここが東京だったら,私はブチ切れていたことだろうし,話にならないから隣の駅のFedexに行くという選択肢もあったはずだ. しかし,ここは東京の赤坂じゃなくて福岡の赤坂であるわけで,選択肢もここしかないから店舗に残されていたたった1通のシワクチャの送付状を受け入れるしかなかったのである.

これだけで驚いてはならない. なんと,シワクチャなFedex送付状には,シワクチャに加えてシミがついていたのだ. ワイシャツだったら火曜の半額デイにクリーニングに持って行かないといけないところだ. それに,シワクチャにシミと言えば,男子学生が提出期限を過ぎて持ってくるレポート用紙と同じ状態ではないか.  一体どうすればこのような状態が実現するのか逆に聞いてみたいといつも思っているのだが,それと同じことをこのFedexの送付状を見て思ったのだ. しかし,とにかく今はハワイ大学に論文を送ることが何よりも重要であるので,シワクチャとシミにも目をつむることにしたのである. そして必要事項を記入して送付状と書類を受付に持って行ったのだ. すると,先ほどの受付の女性がいなくなっているではないか. どこに行ったのかと思っていると,奥の方でキャッキャッと甲高い声を出して男子社員とおしゃべりをしている. てめーコノヤロー… という言葉が咄嗟に出て来そうになるのを抑えて「すみません」と丁寧に声をかける. 悪夢はここから再び始まったのだ. このキャピキャピ女性スタッフに,ホノルルにはいつ頃荷物が届くかと質問したところ,私には分からないのでカスタマー・センターに電話して聞いてほしいとのことで,これをどうぞと言って受話器を差し出される. そうですか,カスタマー・センターに電話するん...というか分からんのかい! てめーコンニャロー,という言葉が出てきそうになったが,あまりの衝撃の大きさにコノヤローがコンニャローになってしまったではないか. なんじゃそれ. だいたいカスタマーセンターというところは,「おつなぎしておりますそのまましばらくお待ちください」というタイトルの音楽をカスタマーに延々聴かされるために存在しているセンターなのである. こんな基本的なことを把握してないなんて,24時間営業のFedexのスタッフとして失格だ. そうじゃなくても,すでに失格だけど. 

その後も悪夢は続くのだった. CDを収めるための専用の梱包材を探しにいったと思ったら,なかなか戻ってこない. 一体,どこまで梱包材を探しに行っているのだ. 糸島の山奥に木でも切りに行っているのだろうか. そこから始めるんかい. もう戻ってこんでいいもう二度と帰って来るな. と思ったが,ここまで我慢してそのような結末になるのは自分にとって何のメリットにもならないので,忍耐強く待っていたのだ. そして,やっと戻ってきたかと思ったら,その梱包材のサイズが小さ過ぎて書類が収まらないという結末が待っていたのだ. てめーコニャロー!とうとうコノヤローがコニャローになってしまったではないか. フツフツと怒りが沸き上がってきて,赤外線サーモグラフィーで頭頂部を映し出したらきっと真っ赤になっていたことだろう. 真っ赤な頭頂部が透けて見えたのか,その女性があわてて大きいサイズの梱包材を探しに行く姿が見えた. 今度また何かしでかしたら絶対に叩いたるぞと思いつつ,頭頂部が真っ赤な状態で静かに待つこと5分. また5分待たされるんかい. 怒りよりもだんだんあきらめのモードにスイッチが切り替わってきた. そして気がついたのだ. そうだ. こういうのを「九州時間」というのだ. 東京よりも時間がゆっくり流れているのだ. 彼女の仕事ぶりはその事実を反映しているのだ. そうだ,だから東急ハンズが2011年にやっと博多に上陸したのだ. 神戸にハンズが来たのは私が高校3年生の時だった. あれから一体何年が経過しているというのだ. そういえば,福岡に来て修理に出したVexcelの時計は,2ヶ月が経過してもまだ戻ってこない. 同じ問題で修理して東京だったら2週間で戻ってきた. やはり九州時間があるのだ. すべてが一本の線でつながった.

気がつくと,キャピキャピ受付女性が梱包材を持って戻って来ていた. 今度はミスはなかった. すでに持っていたFedexアカウントナンバーを記入して,郵送料の支払いを済ませた. Fedexの郵送料のしくみがよく分からないが,アカウントナンバーを記入して,それでクレジット決済となるようだ. でも,料金が気になるので,「今回の郵送料っていくらになりますか?」とその女性にたずねたところ,私には分からないのでカスタマー・センターに電話して聞いてほしいとのことで,再び受話器を差し出された. てめー...頭頂部から湯気が出てきたぞ. もうこいつだけは絶対に許さん.

最後には興味深い展開が待っていた. やれやれと思いながら頭頂部を真っ赤にして店を出ようとした時にそのキャピキャピ女性がこんなことを言ったのだ. 「当店ではあいにく国際貨物の取り扱いは来月末で終了させていただきます」. そうですか,それはざんね...というか「あいにく」の意味が分からない. 来月末と言わず,今すぐ終了すべきだ.

福岡に来て3ヶ月が過ぎた. 新しい場所で新しいものや新しいことが何でも珍しくて「明太子美味しい!」という言葉に表れるような"the euphoric stage"はすでに過ぎ去った. ちょうど3ヶ月が経過した現在は,このエントリー記事に顕著に表れているように"the Fukuoka-hating stage"へと移行している. 縁もゆかりもなくネットワークもなく住んでいても遠い街. 何もかもが遠くにある街. そのことがさらにこのステイジに拍車をかけている. 

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コメント

いや、、正直キンコウズの受付って
あまりいい印象がありません。。。

投稿: 吉野@エネルギー | 2012年7月 5日 (木) 21:30

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