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周防大島から

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山口県・周防大島からお手紙が届く.

同じ大学の図書館職員のYさんから.

ご主人のご実家がこの周防大島にあり,帰省されているとのこと. 手書きのお手紙というものをいただくことがほとんどなくなってしまった昨今. 「人間が手を動かして書いたもの」には,パソコンを打って作成したものにはない何か大事なものがつまっているように感じました. 月並みだが,それは,書いた人の「優しさ」だったり「ぬくもり」だったりする. 

相手に対する気持ちというようなinvisibleなものの価値は数値化しにくく,追跡して機能を測定することも難しい. そして,私達は,社会の中で数値化できず測定できないものを,過小評価する傾向があるような気がする. しかし,数値化できないからこそ,そこには普遍的な価値が存在するのであり,無形のものに対して価値を見出す目を持つことが,お金とか物には換えられない心の豊かさにつながるのではないか,という気がしている. 

ところで,山口県・周防大島からこのお手紙を送ってくださったYさんは,もうすぐ本学をご退職される. 本学に就職した年をたずねると,なんと,わたしが生まれた年であった. つまり,わたしがこの世に誕生して,今日に至るまでの長い長い年月を,本学図書館の司書としてお勤めされてきたことになる. なんだかとてつもなくすごいことのような気がした. なぜなら,わたしは今日この日を迎えるまでに,相当長い年月を生きてきたような気がするからだ. だって,赤ちゃんがこんなおばちゃんになっているのですし,マンママンマと食べ物を求めることしかしなかった赤ちゃんが(特にそういう傾向があったらしい),日本語と英語の両言語を操れるようになっているのですから. それだけの年月,「同じことをずっと続ける」ということを,まだ経験したことがないので,それがどれだけすごいことなのか,実感としてよく分からない. でも,わたしが生まれてから今日までの年月は,とてもとても長い年月だったので,その期間,ずっと同じことを続けてこられたということは,確実にすごいことだということは理解できる. まさに,大きな一歩は小さな一歩を積み重ねることによってしか得られない,ということを,Yさんに教えていただいたような気がする.

これも月並みだが「すごい」という言葉以外に,Yさんが長きに渡って積み上げられてきた実績やご経験を描写する言葉が見つからない. そんな「すごい」Yさんだからこそ,こんなに温かいお手紙を手で書くことができるのだろうし,そんな「すごい」Yさんだからこそ,紙一枚でこんなに大きなものを伝えられるのだろうというふうに思いました.

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