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SLS 800

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先月オルテガ先生に送ったパイロット・スタディのペーパーが戻ってきた.

どのページも,コメントで右端が真っ赤になっている.

一人で書いていたときには気がつかなかったことばかり.  

すごく勉強になる.

一人で書いているとときどき道に迷ってしまうのだけれど,こうして先生からフィードバックをもらえると,いつも行き着く先が見えてくる. 

今ハワイ大学は学期末の時期だと思う. 忙しい時期に時間を割いてくださった先生に改めて感謝した. 

そして,いただいたコメントを読んで,改めてこの先生はすごいと思った.

ゴールまであともう少しだ. やらなくちゃ絶対やり遂げなくてはやってやろうじゃんカモーンという気持ちになってきた. 

さきほど,来学期のSLS 800 (Dissertation Research)の履修登録をし,授業料の支払いを済ませた.

今学期は,$670.30だった. 毎回授業料が上がっていく. でも必要な投資なので仕方ない. 

ハワイに残してきたAmerican Savings Bankの口座残高がだんだん少なくなってきた. アメリカドルが残っているうちに博論を完成させたい. あともう少しだ.

がんばろう.

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春ネイルに

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ネイルを春色にしてもらった.

4月末になっても冷たい風の吹く今日この頃だけれど,サクラの花びらのように見えるネイルを見ているとあたたかな気持ちになる.

ネイルサロンでこの春色ネイルをしてもらっているとき,ちょっとおもしろい出来事があった.

まだ5〜6歳と思われる小さな女の子が突然横にやってきて,「そのマニキュアいいなーいいないいなー」と話しかけられたのである. マニキュアじゃないんですけどね(フレンチジェル)☺.

「へへいいだろー,ちなみにこれはマニキュアとは言わないんだよ.フレンチジェルっていうん...」と大人の威厳を示す発言をしようとしたとき,その女の子の爪が目に留まった. ちっちゃなちっちゃな爪に薄いピンクのマニキュアが塗られていたのである. ちっちゃなちっちゃな爪に光り輝くピンク色のマニキュア. 何かとても不思議なものを見てしまった気がして,そのちっちゃなちっちゃな爪をしばしじーっと見つめてしまった. というか爪ちっちゃい. マニキュア似合ってない.

初めて見るチビッコマニキュアに引きつけられてしまい,「ちょっとお姉さんにその爪を見せてごらん」と大人の威厳を発揮して偉そうに言ってみた. すると,どこかの令嬢のように気高く両手を差し出して,「いい色でしょう?」とか言ってくる. なんて大人びたことを言うのだ. というかチビッコのくせになんでちょっと上から目線なのだ. こっちは大人やぞ. それに,「いい色でしょう?」のちょっと語尾を上げる感じにもイラッとしてしまった. しかし,なんといっても相手はチビッコなので,「うん,いい色だね」という返事で大人の器の広さを示しておいた. こっちは大人やぞ.

聞いたところによると,その女の子は小学1年生. クラスの女子の中でもマニキュアが流行しているのだという. 小学生もメイクをする時代になってきたということはメディアを通じて知っていたが,ピカピカの1年生がもう美に対する意識を持ち始めているなんてちょっと衝撃を受けてしまった. というか小学1年生を描写するときに「ピカピカの1年生」という言葉を使っているあたりが,もう古い人の象徴であるのかもしれない. 自分が初めてマニキュアを塗ったのは大学に入ってからでしたし. 時代は自分が認識している以上の速さで目まぐるしく変化しているということなのかもしれない.

わたしの春ネイルをじっと見つめていたのも,もうマニキュアでは満足できなくなってきてそろそろジェルに移行しようとか思い始めていたからなのかもしれない. 「同じのをしてもらっていいかママに聞いてみたら?」と適当に言ってみたところ,忍者が呪文を唱えて姿を消すようなスピードで,ネイルサロンから飛び出していった. 隣のお店で服の試着をしているというお母さんのところに聞きにいったのだろう. おいおい本気にするなよと思った. このまま戻ってこないかなと思っていると数秒後にまた戻ってきて,「ママがジェルはだめだって」と悲しそうに一言. 当たり前や.

なんだかその女の子に気に入られてしまったようで,その後も,隣で延々と最近の自分の悩みや家族の文句などを聞かされてしまう. というかお母さんの試着長い. ちなみに小学1年生のその女の子の最近の悩みは「背が低いこと」なのだそうだ. 背の順で並ぶと一番前になることが屈辱なのだという. どんな屈辱や. そんなことは悩みのうちには入らないのだよとアドバイスしても納得するだけの十分な人生経験を積んでいない彼女には理解できないだろう. なので,「牛乳飲もう」と月並みなアドバイスをしたり,「男子はちっちゃい女の子の方が好きなのよ」という月並みなフォローを入れたりした. すると,「でもパパは背の高い女性が好きなんだって」とほっぺを膨らませてプンプンしている. お父さん子供に正直に話しすぎやろーフォローしたれやーと思った. というかこれからまだまだ身長伸びるから心配しなくていいんですけどね. というか生まれてからまだ6年しかたってないだろって話です.

その次は家族の文句の話に移る. 一つ目の文句は「パパはこのごろ歳をとってきて太ってきた」ということだった. まあ中年男性は歳とともに太る傾向にあるといいますしね. というか「パパは何歳なの?」と聞いたら,私と同い年でした. 中年で悪かったですね. そして二つ目の文句は「お兄ちゃんがだめな人なの」ということだった. 「どんなふうに『だめな人』なの?」とたずねると,「かけ算の九九が遅い」ということだった. 「だめな人」の具体例がかわいすぎるぞ. それにしても,九九が遅いだけで「だめな人」というレッテルを妹に貼られてしまうお兄ちゃんがちょっと気の毒になりました. 「わたしの方が早く言えるわよ」とかまた偉そうにいってるので,「じゃあ8*2は?」とソッコウ質問してみたら,「18」という答えが自信満々で返ってきた. というかソッコウ間違えてます. 「ちがうよ」と指摘させていただくと,ちょっとプライドが傷つけられたみたいだったが,「じゃ,19?」と再チャレンジしてきた. ぜんぜん違います. お兄ちゃんの九九が遅いとかダメ出しする立場にはまだないと思われました. 

それにしても初対面の大人とこれだけの会話ができる(最近の悩みについて打ち明けたり,家族の愚痴をこぼしたりする)小学1年生の存在を知り,子供だからって甘く見てはいけないのだということを学んだ. かけ算間違えてましたけど. 大人のように既成概念がない分,その視点はまっさらで,そのまっさらな視点で観察された事象は嘘や建前でゆがめられることはない. 中年太りしてきたパパや九九が遅いお兄ちゃんは,まっさらな視点で観察された結果得られた真実であるに違いないのだ.

その後,お母さんと一緒に現れたその女の子が一言,「ママが買った服,4万9千800円だって」と教えてくれた.

この子おもろすぎる.

何かとても貴重な出会いをしたような気がした. 春色ネイルのおかげだ.

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to do list

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"weekly to do list"を作って,抱えている仕事を一つ終える度に抹消線を引いていく.

この大学での勤務も2年目になり,いろいろなことを頼まれるようになってきた. 昨日は,晴れてフットサル・サークルの顧問に就任したわたくしです. というかフットサルとフットボールの違いもよく知らなかったのですけどね. 「ボンボンもって試合の応援に来てください」とか満面の笑みで学生に言われて,しばいたろかと思ってしまいました. 「教員」というのは,もしかすると「サービス業」のカテゴリーに属する職種なのかもしれない.
  
しかし,一週間が終わって,書いていた仕事に全部抹消線が引けたときは何か達成感があって,良い週末を迎えられそうな気持ちになる.

でも,また翌週のto do listが待っているわけで,結局,週末も仕事に費やしてしまうのが日常なのだけれど. オルテガ先生にコメントをいただいたペーパーもリバイズしなくてはいけない. こんなに忙しいのに何がフットサル・サークルだ. ボンボン持って踊り狂ったるというような気分である. Go!Go!チアガーール!

オフィスで温かいお茶を飲むために購入した茶こし付きマグカップが,このごろとても重宝している. 爽やかな四ツ葉のクローバーのデザインも気に入っている.

4月なのにまだ冬物のコートが必要なくらい毎日寒い. お気に入りのマグカップで温かいお茶を飲むとほっこりまったりして,気持ちが安らぐ. 

おみやげでいただいたFERERROのチョコレートと一緒に.

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煮込みハンバーグ

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前期授業が始まり,無事に一週目が終了した.

今学期も8クラス担当する. 初回の授業を終えてみて,どのクラスも反応が良く,全体的にとても良い雰囲気だったので安心した. 大勢の前でも物怖じせずに声を出してくれる学生がクラスに最低2人はいると,クラス全体が盛り上がるので大変助かる. 逆にそういう学生がいないと,クラス全体が静まり返ってしまうので,とても困る. 今学期は,どのクラスにも物怖じせずに発言できる学生が複数名いてくれたので,彼らを利用して,全員参加型のインタラクティブな授業ができそうである. わくわくしてきた.

初回の授業は,とにかく学生たちがやる気になってくれるような,モチベーションを高められるような話をしないといけないので,いつもよりも頭を使ったし,いつもよりも大きな声で話をしたし,どうせ話をするならどこかで笑いをとらなければならないという関西人の血が騒いだので,事前に一人ボケツッコミの練習などもしたりして,いつもよりも神経をすり減らした. 授業で取ったアンケートには,「先生のノリは悪くないと思います」というやや上から目線のコメントとか,「得意のモノマネもいつか披露してください」という先生を芸人と勘違いしている人のコメントなどがあったりして,ちょっと飛ばしすぎたかもしれないと反省したが,まあそんなコメントも含め,何も反応がないよりはあったほうがずっといいし,一人一人とのコミュニケーションが成立したという点で,初回の授業は成功したということにしよう. というか「得意のモノマネも」の「も」が気になりましたが. ショートコントとモノボケが得意だとかはあえて言わなかったんですけどね. イロモネアかい. そんなわけで一週間が終わってヘトヘトになっている自分に気づく. 年々ヘトヘト状態に至る時間が早くなっている気がする. 自分が歳を取ったというのもあるけれど,相手にしている学生が平成生まれの若者で彼らに吸い取られている部分も大きいような気がしている. 

エネルギーを補給するため,大学近くに最近オープンしたフレンチのお店でディナーをいただいてきた. 

メインは煮込みハンバーグ.

『煮込み』って何だかホッと癒される. 

手間暇惜しまずに時間をかけて作ってくれた人の優しさとか愛情があふれている. ヘトヘトの体に染み渡るお味で,目をつぶって「おいしー」と何度も何度も言ってしまった. あー,ほんとに体が疲れている. 

煮込みハンバーグに癒された金曜の夜.

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不安定

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4月に入り,入学式,新入生オリエンテーション,学科会議,英語プレイスメントテストなどの大事な行事が続き,忙しい毎日が始まりつつある. 来週からはいよいよ授業が始まる.

3月中は勤務時間のほとんどを自分の研究にあてることができた. この期間中に自分に課していた二つの宿題,「パイロットスタディのペーパーを完成させること」と「プロポーザルの修正版を完成させること」は,どちらとも計画通りに終えることができた.

ということをこうして文字化してみると,自分がまるで「優等生」であるかのように着色され美化される気がする. でも,当たり前のことだけれど,上から着色して美しく見せることは簡単なことで,つまり,大事なのはどれくらい質のいいものに仕上がっているかという中身なのである. それは外からは見えにくく自分だけにしか分からない. そういう面では相変わらず自分の力不足を痛感せざるを得ない結果となった. たとえば,パイロットスタディを行ってみて,最初のリサーチデザインに大きな穴があったことに気がついた. パイロット段階で気がついたのだから本番で修正すればいいのだけれど,こういう基本的な失敗をしてしまう自分を情けなく思った. 

そんなことも含め,3月中は自分を改めて振り返る機会がたびたび訪れ,そのたびに気持ちが下へ下へと下がっていった. そして,そのたびに自分の心を苦しめたのは,4年前にハワイ大学に留学することを決意したときに思い描いた「4年後になっていたい自分」のイメージと,4年が過ぎた今もそのイメージを実現できていない「今の自分」の姿とのギャップである. あのときなりたいと思った自分にはまだなれていない. その原因は,「力不足」と一言に尽きることはもう十分に分かっている. その不足した「力」が努力して獲得できるレベルのものではないこともすでに気づき始めている. もうやーーんぴと言ってあきらめたらいいのかもしれないが,これまで積み重ねて来たものを無駄にすることは一生の悔いになることもよく分かっている. 一生悔やみ続けることが怖くて,また同じことをこつこつと続けて行くことになる. 大波にさらわれまいと,転覆した船の破片に必死にしがみついているような状態だ.

春という気候のせいもあるかもしれないけれど,このところ,こんなふうに不安定な毎日を過ごしていて,大波にのまれて遭難する夢を見たり,海で出会ったオットセイの顔がなぜか指導教授のオルテガ先生の顔で,びっくりして悲鳴をあげたら「カモーン」と言って噛み付かれた夢を見たりした. なんでオットセイだったのかは分からない. でも顔はオットセイでもやっぱり「カモーン」って言っていた. また,昔のいろいろな出来事を突然思い出して,急に涙があふれてくるようなこともある. 泣くとすっきりするので泣くのはきらいじゃない. でも,弱虫な自分を認めなくてはいけないので,できれば泣きたくない.

神戸に帰ったとき,実家の庭は春の美しい花々で彩られていて,その美しさに心が癒される反面,自分は女性に生まれながらこんなに小さなお花さえも上手に育てることができないという現実と向きかい,何だかつらくて涙があふれてきた. パンジーを見てメソメソ泣く人なんてちょっと変だと思う. わたしが部屋のベランで育てているパンジーは,どんなに頑張っても実家のパンジーのように美しくは咲いてくれないのだ. 花を育てる力もなければ研究を遂行する力もない. このごろは卵焼きを焼いても失敗してしまう. 自分には一体なにができるのだろうと思ってしまう.

今のこの下がりきった状態を乗り越えたとしても,その乗り越えた先にどんな幸せなことが待っているのだろうと思ったりする. 

そんな不安定な春のひととき. 

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