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力のある人々

Oct_4_010  PhDの先輩が博士論文を完成させ,今日そのディフェンスが行われたので聞きに行って来た.

 アメリカの大学院では,博士論文のディフェンスは公開性になっている. 事前にディフェンスの予定が研究科のメーリングリストで通知され,興味があれば誰でも聞きに行くことができる.

 今日ディフェンスをした先輩は,わたしがもっとも信頼する先輩の一人であり,同じ研究科内で唯一心を許して話せる先輩である. 研究科にMentor-Mentee Programという新入生サポートシステムがあるのだが,去年からわたしの"Mentor"になってくれている人でもある. とても優秀な方で,PhDの学生というより,もうfacultyの威厳が漂っている人である. 

ディフェンスは,最初の20分間が本人のプレゼン,その後1時間にわたって質疑応答が行われる. そのパフォーマンスがよければ晴れて学位(PhD)が授与されることになる.

コミティの先生からの質問はなかなか手厳しいものが多かったと思うけれど,先輩はどんな質問にもきちんと答えていたし,きちんと議論ができていたと思う. さすがだと思った. 韓国の方で英語が母語ではない留学生なのに,英語もとてもうまい. おぶじゃーぶ(observe)って言ってるけど. そんなことはどうでもいいのだ. とても優秀な方なので,たぶんすぐに仕事のオファーも来て,来年にはアメリカのどこかの大学のAssistant Professorあたりになっているような気がする. 

自分の周りには力のある人がたくさんいる. その力のある人々が自分と同世代であることが最近はとても多くなってきた気がする. 歳を重ねるごとにみんな偉くなっていくのだ. 純粋にすごいなぁえらいなぁと感心しつつ,同世代の人々の活躍を横目に自分は何をやっているのだという焦りを感じないこともない. 今回ディフェンスをした優秀な先輩も,先輩と言いつつ,実は一つ年下だったりする. ぐー. 

今学期履修している統計のクラスの先生も,自分と同世代である. 昨年PhDを取ったばかりということだが,もうハワイ大学の准教授というポジションについている. 同世代なのに,片や准教授,片や博士過程の学生である. まぁ比較の対象にもならないほどのレベルですが. 上記の先輩と同様,この先生も韓国人である. 学位を取ったばかりで,しかも英語が母語ではないのに,アメリカの大学で准教授のポジションをとれるなんて相当な力がないとできないことだと思う. リサーチでじゃいん(research design)って言ってるけど. そんなことはどうでもいいのだ. 

この先生は本当にすごい. 統計のクラスでは,MANOVA, Profile Analysis, Discriminant Analysis, Factor AnalysisなどのMultivariate Methodを学んでいるのだが,教え方がとてもうまい. もともと韓国で数学の先生をしていたらしく,数学的なアプローチで統計の根底にある考え方を説明してくださるので,この先生のおかげで,すべての統計の手法が一本の線でつながった. 統計のクラスを取るのはこれが4つ目だけれど,この先生の授業が自分には最もためになった. これからハワイ大学で統計の勉強をしたいと思われている方がおられたら,教育学部のSeongah Im先生の授業を取られることをおすすめします. ラストネームは「アイム」じゃなくて「イム」と発音するそうだ. 「私はイムです」って英語で書くときに,"I'm Im"ってわかりにくいやんと思ってしまった. そんなことはどうでもいいのだ. 去年ハワイ大に着任されたばかりの新しい先生だがすでに大物の風格ただよう先生である. アイムイムじゃ.

アメリカでPhDを取ることは簡単なことではないと今すごくそう思う. 先輩や統計のイム先生がすごく力のある人に見えるのは,この過程を乗り越えてきたからなのかもしれない.COMPSを受験中の現在,A.B.Dになるまでの過程でさえ相当な努力と精神力が必要であることを実感する. いや,そんな精神論はもうここでは問題じゃなく,高い「研究能力」が必要なのである. 努力はいくらでもできるけど,研究能力がついてこなければ意味はない. 

しかし,先行研究をまとめ,その中で自分の研究がどう位置づけられるのかを考える作業は,博士論文研究を始めるためにどうしても必要な過程であり,そういう意味で,博士論文を書き始める前にCOMPSを受験するというのはとても重要な過程であることが,ペーパーを書きながら分かってきた. よいシステムになっていると思う. 力のある人々に少しでも近づけるよう頑張らなければならない.

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