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gap

Saturday_008 一週目が終わった.

 研究に加えて,授業の予習復習をしなければならなくなると,やはり忙しい.

 それに,一人でできる研究と違って,授業は限られた時間の中でいろいろな人々と一緒に課題に取り組まなければならないので,緊張感があるし疲労感も大きい.

あるクラスで,とても若い女子たちに囲まれて授業を受けるという経験をした. おそらくマスターの1年生とか2年生の人たちなのだと思う. 大学院というところには,大学からすぐに上がってきた人もいれば,長い間社会人を経験された後,また学問の場に戻って来られた方もいて,授業には様々な年齢層の方々が集まることになる. これまでは,割と自分と歳の近い大人の人がいるクラスで授業を受けてきたので,世代に関する違和感を感じることはなかったのだが,今学期のこのクラスは,見事に若い人たちが集まっている. しかも,みんな女子である. これまでこういう雰囲気の中で授業を受けたことがなかったので異様な感じがした. みんな若くてとてもかわいらしい. みんなアジア系の女子で,同じようなファッションに同じような背格好に同じような髪型をしているので,みんな同じ顔に見えてしまった. まるで「サンリオ・キャラクター大集合」みたいだと思った. 右から,キティちゃん,メロディちゃん,キキララちゃん,続いて,シナモンロールちゃん,クロミちゃん,ウサハナちゃん・・・といった感じ. というか,サンリオ・キャラクターやけに詳しいですね. というかシナモンロールちゃんて.

目の前にサンリオ・キャラクターが大集合している中で授業を受け,少しばかり疲れてしまった. なぜだろうか. 世代ギャップを感じてしまったからなのかもしれない. サンリオの中に溶け込もうとする努力などはあえてしないつもりだが,キティちゃんあたりにならなってもいいという気持ちがないわけではない. キティちゃんになるんかい.

まぁ,サンリオかサンリオでないかというギャップはどうでもいいことなのだが,最近,自分の研究の方向性が,所属するプログラムが目指す方向性とますます離れてきたような気がして,そういう意味でのギャップを授業中に感じてしまうときに,しんどさを感じる. 違う視点を取り入れられるという点で勉強にはなることも多いけれど,知識不足で何も意見が言えなかったり,授業中のアクティビティの重要性に疑問を感じてしまうということも少なからず起きる.

最初にどこで研究を始めたか,最初に誰に指導してもらったかというのは,その人が研究者として取る立場とか考え方にとても大きな影響を及ぼすと思う. 自分の場合は,最初に研究を始めた場所がオーストラリアだったことが,自分の考え方の基盤になっているのだということを最近よく実感する. 

オーストラリアでの言語教育とかリテラシー教育は,Halliday(元シドニー大教授)のSystemic Functional Grammar (体系機能文法)がバックボーンとなっている. 形態素や語の習得よりは,テキスト(あるまとまった文章や会話)が持つ「意味」と「機能」に注目し,文章の意味を読み手に明確に伝えるための構成とか,社会的文脈に合ったディスコースなどを重視する. 自分はこのSystemic Functional Grammarにかなり影響を受けていて,従って,興味分野も「語」レベルよりは「ディスコースレベル」となり,「三人称の-sをどう教えるか」ということよりは,「論理的でわかりやすい文章を書くためにメタディスコース・アイテムをどう教えるか」ということに興味がわく. 

こうした自分の立ち位置を確認できるようになったことは,アメリカで学べたおかげであり,やはりここに来てよかったとは思う. オーストラリアの大学院は,コースワークをする必要がないので,博士の学生は入学と同時に研究をスタートする. 自分のような素人の場合は,コースワークがないと自分の好きなことばかりやってしまい,広い視野で自分の立ち位置を確かめるということができなかったような気がする.

そういう意味で,自分の興味分野と授業の内容の間にギャップを感じることが,自分にとってプラスになっているのかもしれない. ああこういう考え方とか見方もあるんだなぁと. 授業をする先生にも,その先生の考え方を支える理論的基盤というものがあるので,自分のニーズと授業の方向性が最初からピタリと一致しているということは少ないというのが実際のところなのかもしれない. そのギャップを埋め合わせできるかどうかは,すべて自分の力次第,自分の工夫次第で決まるということなのかもしれない.

要するに,教えてもらうのを待っているのではなく,自分で考え,自分で作り出していくということだ.

なんか勝手にまとめている.

いろいろな場で「ギャップ」ということについて考えさせられた一週間. キティー.

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コメント

Satchyさん、本当に、サンリオのキャラクター、詳しいですね(笑)。サンリオピューロランドの近くは、むかし、旅行に行く時、車で取っていたけれど、全く、キャラクターは分からないんですね。ん〜、おさるのもんきちと、けろけろケロッピくらいかな、思いつくの。

”自分で考え,自分で作り出していくということだ."

これって、重要なことですよね。この夏の個人研究で、つくづく思いました。もちろん、Satchyさんと違って、まだ、土台になる部分が出来ていないんですが、もしかしたら、今後の土台になって行くかもしれないものに出会えたので、今学期が始まる前にそれに関する本を読んでおきたいと思います。

ぼくは、コロ助にだったらなっても良いかなって思います(笑)。

投稿: masaki | 2008年8月31日 (日) 15:48

【masakiさん】
masakiさん,こんにちは.

サンリオ・キャラクター,実はgoogleで少しリサーチしました.暇ですね.

夏の個人研究で,きらめくエピファニーに出会えたのですね.よかったですね.これが得られる瞬間があるから勉強っておもしろいんでしょうね.

コロ助って昔見たことがあります.masakiさんのイメージとはちょっと違うナリ.あれ.


投稿: satchy | 2008年8月31日 (日) 18:44

Sathcy-san

お久し振りです。ご無沙汰していてすみません。体調いかがですか。

Satchyさんのブログを読んでいると、ブログではなくエッセイ集を読んでいるような気がしてついSatchy Worldに入ってしまいます。

今度出張で1ヶ月ほど日本各地をまわることになりました。折角神戸にも泊まるのに、今回お会いできなく残念…。またお会いできることを楽しみにしています。

お元気で

投稿: small_forest | 2008年9月 2日 (火) 13:42

Satchyさん、はじめまして。Katsuと申します。この秋からハワイ大に勉強しに来ました。どんな人がここで勉強しているのかな~とあちらこちら見ているうちにたどり着きました。私は何か一つのものを突き詰めている生き方をしている人にすごく惹かれるんですね。恐らく、それはそういう人がほかの人にはない何か強い気持ちであったり、そのものに対するその人自身の考え方があるからかもしれません。そして、そういう方の話や考えを聞くことが私は大好きなんですね。ぜひぜひ、お時間あればお話聞かせてください。私はスポーツと医学を突き詰めたい一人です。

投稿: Katsu | 2008年9月 2日 (火) 18:52

【small_forestさま】
small_forestさん,こんにちは.コメントありがとう.

一ヶ月間もの出張.大変ですね.仕事の量が年々増えているのだろうなぁと推測します.

出張中,いつも行かない場所に足を運んで少し息抜きができればいいけれど.神戸に行ってもし時間があったら美味しいパンやケーキを食べてみてください.

メール送りました.

元気でいてくださいね.

【Katsuさま】
はじめまして.コメントをありがとうございます.

ハワイ大での留学生活が実り多いものになるといいですね.

投稿: satchy | 2008年9月 4日 (木) 18:14

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