« 志したからには | トップページ | 強風 »

リサーチの意味

教える仕事をしていると必ず試験をする機会があって,そのたびに,クラスの平均点を出したり,標準偏差を出したりして,自分のインストラクションに効果があったかどうかを内省しなければならないのだが,

平均点と標準偏差からだけでは見えてこない重要なことが統計処理をすることによって見えてくることを最近実感した. 

とてもおもしろい.

認知言語学のファイナル・プロジェクトは,このトピックについてリサーチしている.

日本にいる先輩先生に協力していただけることになり,120人の大学生の方々からデータを取らせてもらうことができた. empirical studyでこれだけのサンプル数を確保できることは簡単なことではないので,本当にありがたい. 新学期早々,リサーチのために授業時間を割いてくださった先生方に感謝. そして学生さんたちに感謝. ありがとうございます.

120人の学生さんが受けてくれたテストを採点しながら,こちらが一方的にお願いしたタスクにもかかわらず,学生さん一人ひとりが一生懸命取り組んでくれたことが伝わってきて,感激してしまった. 「出来が悪くてすみません」なんていうコメントを書いてくれてたりして. そんなあやらまなくていいよん. なんていい学生さんなんでしょう. 先輩先生がとても素晴らしい方なので,学生さんも良い子に育つのだと思った. 

日本で仕事をしていたとき採点はあまり好きではない仕事だったけど,今回は久しぶりということもあったし,学生さんの一生懸命さが伝わってきたこともあって,採点がとても楽しいと思った. 久々の丸つけ. アメリカのテストは,正解は「○」じゃなくて「」をつけるのだが,やはり私は丸が好きだ. 二重丸◎とかもっと好きだ. 

120人分のテストの採点をしながら,実験群の学生さんの方が,統制群の学生さんよりも若干よくできているような気がした. なんかおもしろくなってきた. でも,なんとなくそんな気がするだけで本当に差があるのかどうかは分からない. 採点が終わって,データをエクセルに入れて平均点と標準偏差を出してみた. 平均だけ見ると,実験群の方がやはり若干高い. でも,まだこの差が有意な差かどうかは分からない. そして,データをSPSSに入力して統計処理にかけてみた. descriptive statisticsとANOVAのデータを出してみたら,二つのグループで有意差が見られた. 検出力(同じ実験や調査をしたときに同様の結果が得られる確立)も高い数値が出た.  なんかめっちゃおもしろいー. 

採点をしながら感じる二つのグループの差. 平均点から分かる二つのグループの差. でも,これらの「差」はたまたま出た差なのかもしれないし,他のサンプルで同じ実験をしたら違う結果になるかもしれない. この差がたまたま出たものではなく意味を持った差なのかどうかを判定するのが統計的仮説検定という手法なのだということを,統計の授業以外のところで実感できた. 

日本で仕事をしていたときは,エクセルで平均点と標準偏差を出すくらいのことしかしていなかった. 統計処理をすると平均点からだけでは見えてこないもっともっと重要なことが見えてくるということが分かった. とてもおもしろい. だからリサーチする人が必要なんだなと思った. 

リサーチはやはりおもしろいかもしれない.

続けているといいこともあるのだと思った.

|

« 志したからには | トップページ | 強風 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/144186/41149697

この記事へのトラックバック一覧です: リサーチの意味:

« 志したからには | トップページ | 強風 »