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恋愛学

Waseda_campus_2006_may_004_2  早稲田大学でこの春から開講された授業で話題になっているものがあるらしい. 

 『恋愛学入門』

 という授業. 「人はなぜ特定の人に惹かれてしまうのか」について,進化生物学,遺伝学,心理学の分野で得られた統計データをもとに分析するというものらしい. 

 また,恋愛学は政治学の分野にも入るらしい. 政治学とは「複数の人間による意志決定」を扱う分野であるから,「男女間の意志決定」により構築される男女関係も政治学の要素が含まれているということらしい. このことから,「恋愛学」は学問的には「進化政治学」と呼ばれるらしい.

ふーむ.

初めて『恋愛学入門』という授業のことを聞いたときは,「モテたい人のための授業」なのかと思ったのだけれども(「入門」とか書いてるし),そんな軽いものではないらしい. 政治学の一環として,また,生物学や遺伝学などの科学的データも扱う学問として,「恋愛学」がカバーするものは広範囲にわたる. 大変興味深い.

そんなわけで,定員200名の授業に,何と800名の学生が登録希望をしたのだそうだ. たぶん「モテたい人のための授業:入門編」だと思っちゃったの人が多いのではないでしょうか. あまいっ. というか自分も最初はそう思っちゃったのだが. 800人を収容できる講義室がないことから,ご担当される先生は志望理由書を学生に書いてもらい,その結果から500人に合格通知を出したのだそうだ. 

合格した500人と不合格だった300人を分けたその基準が何だったのか気になるところだが. 何を書いてしまってダメになったのだろう. 「僕がこの授業を志望する理由はモテたいからである」とか書いてしまったのだろうか. あまいっ.

ご担当される先生とは何度かお話させていただいたことがある. ナイス・ミドルの素敵な先生でした. おそらく女性にはモテると思われる. ご本人もそのことを認識されておられるのか,『日本にはなぜいい男がいないのか?21の理由』なんて本も出されている. たぶん先生じゃなかったら,「アンタにそんなこと言われたないわ」とか言われてしまうだろう.

『恋愛学入門』も,たぶんこの先生でなければ開講できなかったと思われる. もちろん外見だけではない. 新しい分野を切り開いていける洞察力と頭の良さ. 『恋愛学入門』の登場は,学問は同じところにとどまっているのではなく様々な分野の知見を取り入れながら進化していく必要があることを物語っている気がする. 複合主義(emergentism)という新しいアプローチである.

でも,「日本にはなぜいい男がいないのか?」という本が,「日本にはいい男がいない」という帰無仮説を前提にしているのだとしたら,その仮説は棄却される可能性が大きいとわたしは思う. たくさんいらっしゃると思いますけどね. 

『恋愛学入門』

進化政治学として浸透していくのだろうか.

「入門」の次が気になる.

学生さんがいい恋愛をしていけるような何かを学んでくれるといいですね.

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コメント

Satchyさん、こんにちは。
ちょっと気になって、リンクされていたブログを見てみたんですが、僕はちょっと???です。恋愛は、自分の遺伝子を残すためもの言う感じで定義されているんですが、そうすると、同性愛者の恋愛は、どうなってしまうんだろうと思いました。読んでいて、LGBTの人たちは、除外している感じがしました。
あと、どうして、この方が、恋愛学が科学的なのかと書いていたんですが、ふつうにsociologyとかanthropologyのアプローチにかなりにている気がしちゃいました。
そういえば、数年前、冗談で、友達と、恋愛を数式に表してみようって、遊んでいた記憶があります。(数学とコンピューターサイエンス専攻が集まると、こんなことをしてしまいます。)いくつ変数が必要かと話していたり(笑)。
けど、この方が言っているより、恋愛におけるdecision makingにおいて、不確定要素が多すぎて、ちゃんとした学問になるには、もっと、踏ん張りが必要そうですね。

投稿: masaki | 2008年4月13日 (日) 03:47

Satchyさん, こんにちは

もし私が大学生だったら、やっぱり「恋愛学入門」に登録希望を出しただろうなと思います。

私の場合は、「恋愛」って何?から始めてもらわないと、話についていけない気がします。

だけど、学問として「恋愛」と向かい合うのは、本当におもしろいことなんでしょうか。そんなことが気になってしまいます。

でも、この先生が800人の志望書を読んで、500名を選んだのだとしたら、それはそれですごいですね。

投稿: emmy | 2008年4月14日 (月) 02:12

【masakiさん】

「人はなぜ人に惹かれるのか」というリサーチクエスチョンはとても学問的にはおもしろいなと思ったのですが,生物学の分野ではホルモンなどの観点からすでに多くの研究がなされてきているのでしょうね.masakiさんがおっしゃるように,社会学や文化人類学でも似たような研究があるのでしょうね.「恋愛学」はこれらすべてを網羅しようとしているように見えますね.扱う分野が広すぎて,やや分かりにくくなっている気もします.専門性がまだ確立していない大学生の人には難しい学問かもしれないですね.

恋愛を数式化するのは,multiple regressionを使うのでしょうか.変数は不変にありそうですね.恋愛学はやっぱり難しそうです.

【emmyさん】
emmyさん,こんにちは.お元気ですか.

話題性がありますよね.メディアの取材も厳選している状態だそうです.若い大学生の人にも受けるネーミングですよね,「恋愛学」って.

800人の志望理由書を一人で読むのは不可能ですよね... 500人を選んだとしても,これから簡単に宿題も出せそうにないですね.

人がなぜ人に惹かれるのかという問題には興味はありますけれど,半期あるいは通年で終えられるような問題ではなさそうですよね.学問として向き合うよりは,実体験から学ぶことの方がたくさんあるような気がします.

早稲田にはユニークな先生がたくさんおられますね.

家改造計画のテレビに出た先生のことを思い出してしまいました.

投稿: satchy | 2008年4月14日 (月) 06:29

コメント、ありがとうございます。

ユニークな先生は、人気があって、注目されて、その先生のまわりには、やっぱり個性の強い方たちが集まるんでしょうね。

でも、私は今「ふつう」というものに、惹かれてしまいます。「ふつう」なんてものはないと思うけれど、他に表現が浮かばないので、使います。

つまらない先生は嫌ですが、人気のあるユニークな先生より、ふつうの先生のもとで、研究したいと思います。

自分でも、何が言いたいんだか、混乱してきました。

投稿: emmy | 2008年4月14日 (月) 22:00

emmyさん,

わかります.わたしもふつうがいいです.ふつうの考え方ができる人がいいです.

投稿: satchy | 2008年4月16日 (水) 19:46

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