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学力から人間力へ

31184983 「学力から人間力へ」(市川伸一著、教育出版、2003年)を読む。

学力低下論争が白熱しているが、著者は、「『学力』とは一体何を指すのか」というそもそもの出発点がずれていることを指摘。 「学力」とは、「学んだ力としての学力」(知識や技⇒測りやすい)と「学ぶ力としての学力」(学習方法、集中力、計画力、コミュニケーション力など⇒測りにくい)があり、低下しているのは「学んだ力」よりも「学ぶ力」の方であることを指摘している。 

「学ぶ力」は測りにくく評価の対象になりにくい。 しかし、こちらを伸ばしていくことこそ現在の学校や家庭での教育に望まれていることであると著者は主張している。 

各章で、「学ぶ力」、「人間力」を伸ばすための教育実践がまとめられている。 おもしろい。

特に7章で長瀬泰信先生が「教育に関わる者の役割」について書かれていたことが印象に残った。

「『人生における最大事は出会いである。ある時期、誰と出会ったことで心の転換をせしめられたか。その『誰』が人生の根幹を成すのではないか。 ~(中略)~ 自己は自己のみから生まれることはできない。必ず他者において自己となる』*という言葉があるが、教師自身はこの『誰』になるべき研鑽する姿で、生徒の教育に関わるべきであることはいうまでもない。一方で、『誰』になるべき存在を招聘して生徒の人間力を育んでいる。」(p.92) 

* 『 』部分は亀井勝一郎『人生における祈りについて』(新潮社)からの引用

「誰」に出会ったかで人間は変わる。「必ず他者において自己となる」というのはすごくいい言葉だと思った。

自分は生徒にとっての「誰」になることができるのだろうか。 自分自身がまだ人間力育成過程にあるというのに。 もうそろそろ一人前にならなければと思う。 この本はためになった。

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コメント

興味深い本のご紹介有難うございます。
早速図書館に予約し、このお盆休みに読もうと思います!

投稿: American Mike | 2007年8月11日 (土) 20:23

American Mikeさん、

そう言っていただけるととてもうれしいです。

Mikeさんの教室での取り組みなど、今後お聞きできる機会があればいいなと思っています。

投稿: satchy | 2007年8月14日 (火) 00:27

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