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わかっている人がわからない人に教えるときに大切なこと

わかっている人がわからない人に教えるときに大切なことは,わからない人にわかる言葉で説明することだと思う.

これは,ある意味"translation"だと思う.

でも,わかっている人というのはわからない人の気持ちがわからないことが多いので,translationは省略されるか簡略されることが多い.

0131930117 これまで何度かチャレンジしては挫折してきたStatistics.

挫折の理由は,translationをちゃんとしてくれる先生や本に出会わなかったことが大きい.(と人のせいにしてみる)

でも,この本のおかげで,Statisticsの考え方がよくわかるようになってきた.

タイトルは,"Statistics for the Terrified".『恐れおののいている人のための統計学』といったところでしょうか.タイトルからして,かなり初級者をターゲットにしていることがわかる.(スカイダイバーは謎ですが...)

とにかく解説がとても丁寧で,これまでの疑問点が一挙に解決する.それに,ところどころで,"Got it? Good!!"(わかった?よっしゃ!!) とか,"Now you've mastered everything. Congratulations!!"(さぁ,これでもう大丈夫だね.おめでとう!!) なんてことが書かれていて,ちょっとバカにしてんのか?と思うのだけれども,著者とのインタラクションがはかれるというのは悪いことではない.

つまり,この本は,Statisticsについての"translation"がうまくできていると言える.著者のJohn Kranzler氏もそのことをこの本の売りにしているようだった.「統計学者というのは多くの場合,物事の関係性を『公式』でとらえるのであってtranslationはしてくれない.本書はその"translation"にあえて挑んだのである」なんてことが書かれている.(このように,ところどころで著者の自画自賛が入っているのもこの本のいいところだ)

わからなかったことがわかるようになると,とてもうれしいし勉強が楽しくなる.

学生の立場にもどって改めてその喜びを感じている.

ハワイに来る前は,日本で教える仕事をしていたのだけれども,「わかった」という学生さんの言葉はやっぱりいちばんうれしかった.

でも,いろんな学生さんがいる中で,すべての学生さんのニーズにこたえるのはとても難しいことだった.わたしの場合は,英語が苦手な人たちには「わかりやすい」と言ってもらえることが多かったけれども,英語が得意な人たちには「せんせい,ちょっとくどい」と言われることがあった.

「く・ど・い」という言葉にはちょっと傷ついてしまったのだけれども,相手が何がわからなくて何がわかっているのかを把握するのは教える側にとってはとても難しいことだった.

そのことに関連していえば,体育の先生というのはとても残酷な人たちの集団だとわたしは思っている.なぜなら,体育の先生というのは,方法を教えずにいきなり「走れ」とか「泳げ」とか「飛べ」とか「回れ」とか言うからである.わたしは高校のプールでおぼれたという珍しい経験をもつ人なのでありますが,やはり体育の先生であっても,できない人の気持ちを理解して,まず"translation"はしてほしいと思うわけであります.

わかっている人がわからない人に教えるときに大切なこと..."translation".Statisticsの本を読みながらそんなことを考えました.そして,早く学位を取って日本に帰ってまた教える仕事をしたいなと思いました.

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コメント

う~んtranslation、示唆深いですね。僕はどちらかというとサラっと教えてしまう癖があるので、くどいくらい教えてあげるべきなのかも、と思いました。

スキーですか?人並みでしょうが、自己流でトレーニングを受けてないので、それほどスイスイという感じではないと思います。小さい頃からスケートをするところで育ったんで(スピードスケートとホッケー)、そっちのほうが好きです^^。

投稿: まるがり てつお | 2007年1月26日 (金) 00:56

教えること、難しいですよね!
saruhも部下、後輩、などに仕事を教えるとき、お客様に説明するとき、やはり、translation です。
相手に、理解してもらうこと、その為には、わかりやすく説明する、です。
よく教えた後に、わかった、といわれても、実際はわかっていないことがあります。聞いてる側も、わかったふりをして、わかったといってしまって、後に困る、ということが多いです。
とにかく、translationして頭で理解させる、saruhも教えてもらうときは、絶対にわかるまでは、わかったとは言いませんよ!
逆もそうあってほしいです、自分の成長のために!

投稿: saruh | 2007年1月26日 (金) 08:04

Translation、なるほど~。私もこれから自分の子供がしゃべるようになったら、Translationの必要性を感じるようになるだろうなぁ~。

ところで先日、自分がいた研究科の助手に応募したところ、面接にくるように言われました。助手の面接って何を聞かれるんでしょう??もしもなにかアイディアがあったら教えてください~

Satchyにメールしたのですが、届かなかったのでここに書いてしまいました。すみません。

投稿: Hitomi | 2007年1月26日 (金) 09:40

>わたしの場合は,英語が苦手な人たちには「わかりやすい」と言ってもらえることが多>かったけれども,英語が得意な人たちには「せんせい,ちょっとくどい」と言われるこ>とがあった.

私も全くおんなじです!!
英語苦手者には、今までで一番わかりやすかった、なんて望外のほめ言葉を頂いたりするのに、
英語得意者には、何度も同じことばかり言う、とか、サルでもわかるような授業はいらんとか、evaluationに書かれたり。
かなり傷つきました。
私はもちろんずっと英語が得意だったのに、
不得意の人の気持ちの方に寄り添える、というのは
一体どういうことなのでしょう。。

投稿: せつこ | 2007年1月26日 (金) 10:47

【てつお先生】
サラッと説明するだけでいいときと,丁寧に説明する必要があるときを判断できるようにならなければいけないなと思います.

どうもくどくどと言ってしまう傾向があります...

スケートやホッケーなんてすてきですね.

【saruhさん】
仕事のときも同じことがいえるのですね.

実際はわかっていないのに「わかった」と言ってしまうことってありますね.でも,わからないときは正直にわからないって言ったほうがいいんですよね,自分にとっても相手にとっても.

営業の仕事はとても大変そうですね.お客様への説明,向いている人と向いていない人がいるのかなと思ったりします.それとも,慣れでしょうか.

【Hitomiさん】
お元気ですか.

お子様はバイリンガル教育でしょうか.

書類審査合格よかったですね.面接では3年間の研究計画を聞かれると思いますよ.きちんと答えられるように準備しておいたほうがいいと思います.

このブログの右下にある「メール送信」をクリックしてもらえば,satchyのところにメールが届くようになってますので何かあればメールしてきてくださいね.

【せつこさん】
最近の子は何でもハッキリものを言うのですねぇ...昔は先生に対してもうちょっと遠慮というものがあったような.

いろんな学生さんがいる中ですべての人に満足してもらえる授業をするのってむずかしいですね.わたしは,せつこさんほど経験が長くないのでまだまだ修行が必要ですが...

わたしも英語が好きで英語の先生になったはずなのですが,ハワイに来てから英語が嫌いになってきてしまいました.どうしたらいいでしょうか.せつこさんにはそんな時期がありましたか.

現実逃避もここまでくるとちょっとまずいのではないかと...

投稿: satchy | 2007年1月27日 (土) 17:29

SATCHYさんは、オーストラリアのときは楽しい留学生活だった、と言っていたのに
ハワイがかなりつらい、というのはなんなのだろうね。
もちろんずっと英語の生活、というのはしんどいわけですが、英語嫌い、と感じてしまうのはなんなんだろうね。
ちょっと心配だな。。。
私は英語の生活には疲れたけど、英語そのものはやっぱり好きだわ。。。
SATCHYさんもおんなじなんちゃう?
英語の生活に疲れとうだけやで、きっと。。。
こうなったらとことん神戸弁になってまうわぁ。。

投稿: せつこ | 2007年1月31日 (水) 11:45

せつこさん,

ああそっか,英語そのものじゃなくて,「英語の生活」に疲れとうだけかもしらんわ.
(と,わたしも神戸弁)

英語はやっぱり好きです.もっともっとうまくなりたいしアメリカ人よりうまく書けるようになりたいと思うし.

メルボルンとハワイの違いはなんなんかな.たぶん,ハワイのトロピカルな雰囲気と自分の毎日の生活のギャップが多きすぎることがしんどさの原因かと思います.

そして,4年前は4歳若かったということも原因のひとつかもしれないです(笑).

大事なことに気づかせてくれてありがとう,せつこさん.

投稿: satchy | 2007年1月31日 (水) 14:17

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