« 最もセクシーな男 | トップページ | ハワイのクリスマスカード,そしてメリカリキマカ »

consumptionとproductionという言葉について語らせていただく

本を読んで得た知識を消費する(consumption)ことはできても,そこから新しい知を創造・生産する(production)ことは,とても難しいと思う.

とある授業のプロジェクトで,EAPプログラムの教材と教室活動についてデータを取り,今それを分析してまとめているところなのだけれど,先行研究で他の研究者が出した結論と同じ方向にしか持っていけないでいる.

予想外におもしろいデータが取れたので,このプロジェクトペーパーをpublicationにつなげたいとひそかに企んでいるのだ.しかし,わたしには,新しいことを生産できるだけの力が備わっていない.

Dr. Desserが,アメリカの教育について次のようにコメントしたことが印象に残った.

We tend to privilege production over consumption and our placement test reflect this.

このコメントを聞いて,日本で受けた教育のことを振り返った.わたしの場合は完全に"consumption"型だった.教える側の方にも,一定の範囲内にある答以外のものを正解として認めず,一定の枠組みを作りつつ生徒を指導するという雰囲気があったような気がする.先生の期待通りの答を出せば優等生になれると思っていた.(もちろん自分に力がないことを日本の教育制度のせいにしているわけではない)

自分で研究をして論文を書けるようにはなったものの,まだ自分はこのconsumption型から抜けきれずにいると思う.これまでpublishしてきたものを見ても,人が言ったことと同じことを言っているだけで新しいことは何も言っていないのだ.

大学院というところはこれで3つ目になるのだけれども,そのわりには力がついてない.そろそろproductionができるようにならなければいけないと思う.

Tsukuneya_006 ←新しいシャネルの見せ方.これもある意味"production"だと思う.

左の大きなねずみは,アラモアナSC・シャネル店の「ちゅーこ店長」というそうです.

(うそです)

|

« 最もセクシーな男 | トップページ | ハワイのクリスマスカード,そしてメリカリキマカ »

コメント

ご無沙汰しております。今日のミュンヘンは非常に暖かく、ペルー人のクラスメイトと一緒に博物館に行ってきました。おもしろかったです。

Productionですか。私の領域だと、日本人は学問的な新発見をしたとしても、新しいメソッドは全部西洋からやってきます。どのように絵を見るか、どんな切り口で取り組むか、道具は全部あちらからやってきて、後は材料を自分で選んだり、道具を扱うスキルを磨くくらいです。全ての人文科学はそんな感じがする。そんな時悔しいなと正直思います。

でも50、60くらいの一番油が乗っている時に何かをProductionできればいいんじゃないかなあとも思います。。20、30、40はまだまだConsumptionの時で、いっぱい勉強しなきゃいけないことがあります、、、小さくてもいいから一つ、自分だけの何かを達成できればいいなと思ってます。

投稿: のりーた | 2006年11月27日 (月) 01:37

シャネルのディスプレイかわいいね。
すてき。

アメリカはproductionしているのでしょうか?
理系分野に限っては疑問があります。
うちの主人の意見では、アメリカは教育システムは多分優れているが
それを生かしきれていないのではないか、ということです。
主人は理系の研究者ですが、アメリカの研究は遅れている、と言っています。
ただこいつはできる、となると国籍などには一切こだわらずどんどん海外から
登用するアメリカの懐の広さはすごいですね。

友達がアメリカの医学系のPhDを最近終えて帰国しましたが、
そこの研究所では所長と秘書を除いて全員外国人だったそうです。
こういう基礎の部分を有難がらない風潮がアメリカには
あるのかな、と考えています。

投稿: | 2006年11月27日 (月) 13:54

ごめん、上のカキコわたしです。。

投稿: せつこ | 2006年11月27日 (月) 16:41

【のりーたさん】
のりーたさんと一緒に博物館に行ってみたいと思いました.専門家の視点で作品を鑑賞できたら世界が広がりそうだし,とてもよい勉強になりそうです.

publicationの数が少しずつ増えるにつれて,自分の研究の話をする機会も増えてきたのですが,「で,先行研究とあなたの研究が違うところはどこなのですか」と聞かれることがよくあります.特に,大学のえらい先生と話していると必ず.そんなとき,「うーー」とうなってしまいます.先行研究と同じ結果が出たというだけでそれ以上の斬新なことは何も言えてないんですね.

研究を本格的に始めてまだ4年なので,のりーたさんの言うとおり今はconsumptionの時期だとは思うのですけどね.どうなのかな.わたしは大学院を出てすぐ現場に出たので指導者がいない状態で研究をしていて何か壁にぶち当たっている感じ.やっぱり一人ではまだ何もできないんだなーと.

というか今はコースワークでいっぱいいっぱい.早く研究に入って論文書きたいです.

ビールはおいしいですか?

【せつこさん】
アメリカの教育システムは優れているがそれを生かしきれていないというのは,こちらのcomposition studiesの先生もよく言っています.ちゃんと英語が話せない若者が増えている,学力が低下している,などということもよく言っています.日本と同じなんやなーと思いながら聞いています.

まだアメリカのことはよく分からないのですが,どうなんでしょうね.productionを重視する教育は成功しているのでしょうか.

ただ,こちらの学生と話していると,自分のことを客観的に分析できていて自分はこういう人間だと語れる人が多いなと感じます.たとえば,同じ22~25歳くらいの日本人の人たちは,ここまでちゃんと自分のことを語れるのかなとふと思いました.

#ただこいつはできる、となると国籍などには一切こだわらずどんどん海外から
登用するアメリカの懐の広さはすごいですね#

ほんとにそうですね.
理系の分野だとアメリカ人よりもアジア人の占める割合の方が多くなるのでしょうか.アメリカ人は数学ができないと聞きますし...(GREの問題にもそれが反映されているような)

せつこさんはシャネル好きですか.

投稿: satchy | 2006年11月28日 (火) 16:03

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: consumptionとproductionという言葉について語らせていただく:

« 最もセクシーな男 | トップページ | ハワイのクリスマスカード,そしてメリカリキマカ »