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ポートフォリオの重要性を再認識した日

October_7_002 ポートフォリオは,とてもすばらしい学習評価法だと思った.

ポートフォリオ(portfolio)とは,学生ひとりひとりの学習成果を一元化し,ファイル化したもの. たとえば,一年間で書いたレポート,そのレポートの下書き,調査のために集めた資料など,関連するすべての書類をひとつのファイルに保存したものがポートフォリオである. 時系列的に保存していくことで,学生が一年間でどのように成長したか,何ができるようになったか,何が身についたか,改善点は何か,などが見えてくる. 

学びのプロセスで生み出される「成果」や「変化」というのは,目に見えにくいものだが,ポートフォリオを作ることによって,それらが見えやすくなる,と言われている. 日本の学校でも新しい評価方法として注目され始めているそう.

October_7_016 わたしはこれまで一度もこのポートフォリオやらを経験したことがなかったのだけれども,今受講している"Second Language Writing"の授業で,生まれて初めて,このポートフォリオを経験した. この授業では,毎週1500-2000 wordsのreflection paperを書き,それをクラスメイトと交換してpeer reviewを行う形をとっている. そのクラスメイトのコメントの入ったreflection paperをファイルに閉じていくというものだ.

今日,このポートフォリオを見直してみた. そして,「ポートフォリオってすごい!」と感心してしまった.この7週間で取り組んだreflection paperを見ながら,勉強の過程で身についた能力や考え方の変化などを客観的に把握することができた. 

October_7_013 ← こちらは,授業を担当しているDr. Ortegaが作成したポートフォリオ分析のためのハンドアウト. 

「自分が取り上げた問題点」 「それに対するクラスメイトのコメント」を,このような表にしてまとめてくるように指示された.

そして,この「表」がまたすばらしいと思った. 左側に自分のスタンス,右側にクラスメイトのコメントを記入することで,いろいろな考え方がある中で自分がどこに位置しているのかを確認することができるようになっている. 

October_7_012October_7_011  ←クラスメイトがこうして余白にコメントを書いてくれる. 

peer reviewは日本では経験したことがなかったので,とても新鮮. 正直なところ,最初は「peer reviewって何か意味あるんかな」って思っていたのだけれど,かなり意味があることを学んだ. 自分では気がつかない鋭い指摘をもらうことが多くて勉強になる.

そして,何と言っても「達成感」を味わえるところがポートフォリオの良いところだと思った. こうして一元化してファイルに閉じるのと,ばらばらに保存しておくのとでは,達成感の度合いがかなり変わってくるような気がした.

こうして自分の「成長の過程」を把握できれば,それは次のステップへ進む自分への「励み」となる. 評価とは,他人からされるものではないのかもしれない,とふと思った. 自分のために自分から自分でするからこそ,意味があるのであり,だからこそ,明日はよりよい自分でいられるのかもしれない,とふと思った.

October_7_017 ということで今週末も休みがない... 

でも,今日,ダイエーでメロンパンを見つけたから元気が出た☆

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コメント

ポートフォリオってそういう意味があったんですね。
アメリカに留学したときESLのWritingで最後のペーパーだけポートフォリオにして出すように言われましたが、どういう意味があるのか分かっていませんでした。
ところで、自由に書くということについて、やはり、ある程度の書き方は、教わる必要があると私は思います。作文も、漢字を私たちが習うようなもので、書き順というものを把握した上で初めて自由にかけるってものではないでしょうか?
まったく漢字の書き方を習わずに書くと、右から左に筆を動かしたりして書いて、漢字なのかどうかすらもわからない代物になってしまいますからね。
ふとそんなことを思いつきました。

投稿: Hitomi | 2006年10月 9日 (月) 08:38

私は大学の時(日本で)のアメリカ人の先生の卒業論文作成法の授業でポートフォリオやりましたよ。アメリカ文学について書きました。self review, peer review , teacher's review, advisor's(主査の先生)review 等ありました。しかもどういう視点でチェックすればいいかというチェック項目もあらかじめ用意されていますし、コメントを書く欄もあります。最後にこの授業の先生が生徒全員の論文を読んで英語のチェックや論点のチェックをして下さいました。とても大変だったと思います。寝てないとおっしゃていました。その先生のおかげでいい卒論が書けました。

投稿: makiko | 2006年10月 9日 (月) 11:38

satchy先生、こんにちは。

御無沙汰しています。ポートフォリオのことはたいへん参考になりました。思えば小生もその昔、大学一年生のときの英語講読の講義で、新聞社出身の先生から「新聞の切り抜きを継続的にして、最後に小論文を書いてノートを一冊作成するように」言われたことがありました。

最初は面倒くさいと思っていたのですが、最終的に小生の手元に帰ってきたノートを見ると、「大変力強い意見に感銘を受けました」旨の先生のコメントが書かれてあり、とても嬉しかったことを憶えています。

昨今、初年度生の教育にどこの大学も力を入れていますが、「これだけやった」という意味であとあと振り返ることのできる成果を形に残しておくことって、学ぶ側にとっては計り知れない大きな意味があるのだと思っています。

今、学部の教務委員をしているのでsatchy先生の文章はとても参考になりました。ありがとうございました。

投稿: 鹿太郎 | 2006年10月 9日 (月) 14:00

【Hitomiさん】
へー,ESLのクラスでポートフォリオ作ったのですね.そのコースでライティングの力は伸びましたか.とても興味深いです.

作文についてはわたしもそう思います.ある程度の下地が出来てないと「自由に書け」といわれても難しいのではないかなと.

数年後に日本でそのような授業ができるようになりたいなーと思いつつ,競走馬生活を送っています★

【makikoさん】
こんにちは.

makikoさんは卒論のときにポートフォリオを経験されたのですね.

すばらしい先生と出会われたのですね.ポートフォリオは,ただ「作れ」と指示するだけではだめで,教師側のフォローアップがあってこそその価値が生きるのだと思います.

またいろいろお話をお聞きしたいです.

【鹿太郎せんせい】
お元気ですか.

そんな,お礼を言われると恐縮してしまう...何か少しでもお役に立てたのならうれしいですけれど.

「達成感」は動機付けの面でとても大事な要素になると思います.そういう意味でポートフォリオはとても有益な学習法のように思えます.学生さん側にはもしかするとその価値が伝わりにくいかもしれないので,なぜポートフォリオを作るのか,ポートフォリオがなんの役に立つのか,まで教師側が最初に言っておくことが大事なのかもしれないですね.Dr. Ortegaがやっていたように,分析のためのハンドアウトを作るのも良いやり方だと思いました.

委員をやっておられると雑用が多くて大変ですね...

投稿: satchy | 2006年10月 9日 (月) 16:55

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