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理科系になりたいとふと思う

Waikiki_006_1 理科系になりたい,とふと思った.

一つの答を見つけてすっきりしたい.普遍性を見つけ出したい.真理を探究したい.

白衣を着て実験がしたい. コンピュータに向かってひたすらプログラムを書き続けたい. 研究室にひきこもりひたすら数式を解き続けたい.

Waikiki_004_1 文科系の学問は,導き出される答が一つでないだけに時に苦しい. 特に,わたしのような「人間の思考」を研究対象にするような場合,人間が一人ひとり異なる生き物である以上,結果はmonolith(一枚岩)というわけにはいかないのであります.

この1ヶ月で何冊本を読んだだろう.知識は深まったし,理論をより広い視点でとらえられるようになった. しかし,同時に,苦しくなってきた. どこまでいっても答が見つからないからだ. 

Saturday_007 ということで,ふと理科系の世界をのぞいてみたくなったのだ. 同じような理由で理科系にあこがれる文科系の人間は多いと思う. しかし,おもしろいことに,その逆はない. 理科系の人間が文科系にあこがれることはないのだ. 

なぜなのか考えてみた. 東京の大学で仕事をしていたときに知り合った理科系の先生のことを思い出してみた. この先生たちは,みな独自の世界をもっていた. その世界はとても雄大だった. 文科系の人間が入り込めない何かがあった. そしてその「入り込めない何か」が文科系の人間を引き付けるのだと思った.

Saturday_012_1 たとえば,地球惑星科学が専門のIさんはよくこんな質問をしてきた.「地面をずっと掘っていったら何があると思いますか?」 「宇宙に宇宙人はいると思いますか?」...なんだかよく分からなかったけれども,Iさんのやっている研究がとてもおもしろそうに見えた. そこで,「毎日,研究室では何をしているのですか?」と聞いてみたところ,「毎日,計算をしています」とIさんは答えたのだ. なんだかよく分からなかったけれども,Iさんの関心というのは,宇宙と生命をつなぐことであるようだ,と一人で勝手に結論を出してみた. なんだかとてもスケールの大きい研究だと思った. 自分がすごくちっぽけな人間に思えた瞬間だった.


また,統計が専門のSさんは,「アキレスの論証」について話してくれた. ギリシャ第一の走者アキレスと亀が競争するとき,アキレスは亀より速いから,ハン ディをつけて亀の少し後から出発するとする. そうすると,アキレスは有限の範囲内には亀を追い越すことはできない,というのである. わたしには,この「アキレスの論証」がどうしても理解できず,数日眠れない日々が続いた.眠れないので,レポート用紙に図を書いて一人で考えてみたりした. 昔,弟が亀を飼っていたことを思い出した. よくわからなかった. そして,わたしにはどうやら時間間隔とか空間間隔というものをとらえる力が欠如しているらしい,と知ったのだ.

理科系の世界は何だかとてもおもしろそうだ. 地面をずっと掘っていったら何が見つかるのだろう. なぜアキレスは亀を追い越せないのだろう. これらの問いに対する答を探す旅に出てみたくなった.

...

かなり現実逃避ですな... 完全に精神が病んでいるようだ.

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コメント

このまま数学に進むか、辞めるか考えていた時に、その時に教わっていた教授に、数学者は何をするのかって言う質問をしたんですよ。で、色々教えてくれたんですが、特に印象に残っているのが、自分で問題を見つけ、それの答えを探すということ。答えにたどり着けるか分からないのに、それを探すって、凄い事だなって思いました。

だけど、これって、分野に限らず、同じ事だと思います。文系というか芸術系というか分からないけど、理系以外のものもやっていたせいで、両方、良い点が見えてきてけれど、きっと、最後にたどり着くのは、何をしてよいと、同じ所に付きそうな気がします。

投稿: masaki | 2006年9月27日 (水) 17:44

理系だって,唯一の答えがあるわけではありません.勉強には答えがありますが,いわゆる研究には答えはありません.学会発表をしても「面白い」という人もいれば「つまらん」という人もいます.
穴を掘っていたら,何か見つかるなんて甘い話はありません.どこを掘るのか,どうやって掘るのか,どの道具を使うのか.選択肢は無限大です.
プログラムの打ち込みは単純作業ですが,何を書くのかは人それぞれ,10人居れば10通りのプログラムができます.使えるものもあれば,使い物にならないものもある.

まぁ,確かに理系の方が対象が目に見えやすいので,本人はやっている充実感は味わいやすいかもしれないですけど... (大したことをしていなくても...)

あんまり理系とか文系とか関係ないような気がするんだけどなぁ...
本人がやりたいことをやればいいと思う
やりたくないなら辞めればいいし...

さっちーせんせ...お疲れですな...
(5月病 Hawaii Version?)

投稿: しん | 2006年9月27日 (水) 22:12

【masakiさん】
ありがとうございます.

そうですね,答が一つしかないとしたら,それを見つけるのは簡単なことのような気がします.でもそれだと,研究をする意味はないのですよね.答を追い求めるその過程が大事なのでしょうね.

masakiさんは,文科系,理科系,芸術系,とあらゆる分野を経験されてるんですよね.すばらしいです.その視野の広さがあれば,こわいものなしですね.


【しんさん】
お元気されてますか.

コメントありがとう.

とても貴重なお話をうかがえたと思っています. 理系だからといって,答がひとつだというわけではないのですよね. わかってはいたのですが,しんさんのおっしゃるとおり,対象が目に見えやすいということで,少しばかりぼやいてみました...(5月病かも.ハワイでは8月が新学期の季節なので,ハワイ風に言うと9月病かな)

この世界から逃れたらどんなに楽になるだろうと思いつつ,それでもやっぱりこの世界から離れることはできない自分がいます.もういやだと思って眠りについても,次の朝にはまた机に向かっている.やっぱり,この世界にいるのが好きなのだと思います.

投稿: satchy | 2006年9月28日 (木) 16:24

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