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別々の文脈で得た知識が一本の線でつながった瞬間

Miller2005 別々の文脈で得た知識が,一本の線でつながる瞬間がありました.

こちらの本がこの2週間ほどわたくしを苦しめてきた本なのですが,(Richard E. Miller Writing at the End of the World, University of Pittsburgh Press, 2005 ) その193ページあたりを読んでいて,なぜリテラシーが大事なのか,なぜ書くことを指導する必要があるのか,についてこれまで気がつかなかった新しい視点を手に入れることができました.

このような瞬間には,まさに,新しいコンタクトを作って向かいのホームに立っている人の顔がハッキリ見えたときのあの感動と同じくらいの大きな感動があるのであります.(このような陳腐な例でしか気持ちを表現できないアナタ自身がもっとリテラシーを磨く必要があるのかもしれないが)

Miller氏は,「別々の文脈で得たものを関連づける力」こそが人文科学の目的であり,書くことの指導とは,この「関連づける力」を養うことにつながる,と述べています.

本の最終ページに書かれていたことが心に残りました.

The practice of humanities is not about admiration or greatness or appreciation or depth of knowledge or scholarly achievement; it’s about the movement between worlds, balancing; it’s about making the connections that count. (p. 198)

つまり,Miller氏が言っているのは,”The value of learning is making the connections rather than the disparities.” ということなのだと思った. そして,自分でまとめてみたこの言葉はとてもいい言葉だと思った.(自画自賛)

このmaking the connections rather than the disparitiesというのは,教育のみならず,どの分野にもいえることなのかもしれないし,広く,人生論においても意味をもつような気がした. なぜなら,人は一人では生きられないのであって,他の誰か,たとえば好きな人であったり家族であったり友人であったり,そうした人たちとの「つながり」があるからこそ人生を豊かなものにしていけるからだ. 

この本を読んで,「なぜリテラシーは大事なのか」という問題から「何が人生を豊かにするのか」という問題について考えることができた. 200ページ中,193ページまでは理解に苦しんだのだけれども(ほとんどやんか!),最後の最後になってやっとMillerの言いたいことが理解できた(遅すぎですか). 読んでよかったと思った.

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コメント

Freireのリテラシー教育って結構アメリカの教育に影響していると思うのだけど、どうでしょう?("Education of the Oppressed"は彼の有名な著書)彼の教育観から派出したクリティカル・ペダゴジーは生徒自身がどうやって主体的に社会の一員として社会改革にかかわっていくことができるかがを考えることが教育の骨格。知識の為の教育ではなくて、アイデンティティーの確立やempowermentの為の教育。Satcheyさんの読んでいる本にFreireって出てきていますか?

投稿: Yuki | 2006年9月11日 (月) 09:31

最近、Learningに行き詰まり気味の者です。
”The value of learning is making the connections rather than the disparities”
エエ言葉やわ~。と、正直に思いました。
12月までに提出するContemporary Media in Global Societyという授業のTerm Paperのトピックを、「ワカモノのリテラシーの回復と出版業界の復活」について書く予定にしているボクにとっては、良いヒントをもらいました!
何か"良からぬ"アイディアが生まれそう。日本でPaperを書いていたときのように、良い意味で「たくらみ」はじめました。ひひひ
Term Paperの参考文献リストに、"Satchy, 2006"って書くかも。

投稿: Tekkan | 2006年9月11日 (月) 11:33

【Yukiさん】
コメントありがとうございます.お元気されてますか.

私もそう思います.この本の中にもFreireが"Pedagogy of the Oppressed"の中で述べていることを紹介しています.あとは,Jomaes Scottの"Domination and the Arts of Resistance"などがありました.

日本ではこのような観点からリテラシー教育について考えたことがなかったのでとても勉強になりました.


【Tekkanさん】
よかったー! 共感してもらえるととてもうれしいです. 剽窃で訴えたりしませんのでどーぞ使ってください.

ていうかこれはただのブログやろー.

投稿: satchy | 2006年9月11日 (月) 12:40

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