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謙虚さは大物の証し

Farewell1_003 ある飲み会に参加したら、文芸評論家の加藤典洋先生と席が隣になり、今日は大変有意義な夜を過ごすことができました。 昨年、W大学に移ってこられたのですけれど、学内ですれ違うことはあっても、お話するチャンスはまったくありませんでした。 なので、大学を去る前に、先生とお話することができて本当にラッキーでした。

いろんなお話をしてくださったのですが、中でも一番印象に残っているのは、先生ほどの方でも、資料集めは助手には頼まず必ず自分でやるようにしている、ということです。 「Aという資料を探す目的で図書館に行くとする。そうすると、たいてい、A’という関連資料が見つかる。 そして、そこからまたA’’という資料に行き着くこともある。」 と。 「しかし、この作業を助手に頼んだ場合は、A’という資料にも、A’’という資料にも行き当たらない。 なぜなら、助手は『Aという資料を探してこい』と指示されたら、たいていの場合、Aという資料しか持って帰ってこないものだからである。」 つまり、自分で時間をかけて資料を調べることで、予想していなかった新しい発見があり、それは自分の知識や視野を広げることにつながる、ということなのでしょう。 なるほどなーと思いました。 どんなに偉くなっても、こういう姿勢を持ち続けていらっしゃるなんて、すばらしい。 まさに、「謙虚さは大物の証し」であることを実感した瞬間でした。 

他にも、興味深いお話をたくさん聞くことができました。 先生が「書くこと」への興味を抱くきっかけとなった出来事について、 国会図書館に勤務していた頃の苦労話、 太宰治論、などなど。。。 先生の人間性と知性の裏には、このような過去のさまざまなご経験があったのだなぁと知り、大変感銘を受けました。 これから次の目標に向かって新しいフィールドへ飛び込んでいこうとしているsatchyにとって、今日の先生のお話はどれも大きな力を与えてくれるものでした。 

それにしても、偉大な人ほど、謙虚で、知識をひけらかさないし、自慢しないものなんですね。 石原千秋先生がある本の中で、「大人になったら、『知らぬ振り』が大物で、『知ったかぶり』は小物の証明である」 と書いていたけれど、今日、加藤先生とお話させていただいて、本当にそのとおりだと思いました。 何か新しいことを学ぶたび、これ見よがしにこのブログで得た知識を披露してしまうsatchyは、「ザ・知ったかぶり人生」を歩みつつあるのかもしれないので、気をつけようと思いました。

ところで今日の東京はとても暑かったです。 カツラ疑惑のある人を見かけたのですけれど、大変不快そうにしていらして、「これはヅラに違いない」と確信したsatchyでした。 大物とは、苦痛に歯を食いしばって耐えられる根性を持ち合わせている人でもあるということを再認識しました。 ニャーっ。

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コメント

さっちーさんお仕事が速い!私も同感です。大物でしたね~。今まで加藤先生とは教員ロビーで立ち話をするくらいだったので、あのようにがっつりお話することはなかった。とっても刺激的でした。さっちーさんともお話できておもしろかったです。ほんの少しだけでしたが・・・でもさっちーさんの素敵なお人柄はブログを通してよく知っているつもりです。これからも一ファンとして読ませていただきますので、ブログ続けてください。


ちなみに、加藤先生は「典洋」です。^^

投稿: のりーた | 2006年7月27日 (木) 08:05

のりーたさん♪
先生のお名前、ご指摘ありがとう!早速訂正しました。
昨夜はほんとに刺激的でした。でも、先生だけじゃなくて、のりーたさんが文学に精通しておられることを知り、とても感銘を受けました。文学作品の研究というのはこうやってやるものなのだ、というとても基本的なことを昨日学んだ気がします。文学作品の一文一文には、書いた人の人生が反映されているのですね。もっとお話をお聞きしたかったのにお会いできないなんて残念。ぜひぜひ、ドイツからブログを発信してください! これからもお友達でいてくださいね。

投稿: satchy | 2006年7月27日 (木) 08:29

加藤先生の授業とってました。
あのなまった日本語が素朴で印象的です。
課題の量が多くて大変でしたが、ドストエフスキーの『罪と罰』やルソーの『社会契約論』に触れるいい機会でした。

知らぬふりが大物ってかっこいいですね。

投稿: G | 2006年7月27日 (木) 17:06

昨晩同席した☆です。こんにちはー。
宣言通り(?)、早速遊びに来てしまいました。

記事をすべて読んでいたら、のりーたさんに先を越されてしまったようです。
どれも面白く読ませていただきました。特に英語についての文章は勉強になりましたね。

拠点をハワイに移しても、夢に向かって突き進んでください。
研究が何らかの形で結実することを日本で祈ってます!(^^)!。

投稿: ☆ | 2006年7月27日 (木) 22:16

Gさん、
プロの文芸評論をこんなに近くで聞けるなんてちょっと感動的でした。そして、語り口調からあふれ出る人間性に、また魅力を感じました。素晴らしい先生がSILSに来てくれてよかったよね。

☆さん、
遊びに来てくれてありがとう。これからもどうぞよろしく。いろんなお話ができるのを楽しみにしてます。

投稿: satchy | 2006年8月 2日 (水) 07:18

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