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震災から11年

1月17日。今日であの阪神大震災から11年がすぎたことになる。かけがえのない人を失った悲しみは、11年が過ぎた今でも、決して癒されることはない。すさまじい勢いで家が倒壊するという恐怖が消えることもない。あの戦後の焼け野原のような光景も、今でも鮮明に目に焼きついている。11年という年月が流れたのだけれど、私の中で、あのときの記憶が風化することは決してないと思う。

11年前の今日午前5時46分、神戸市須磨区の実家。ドンッと爆弾が落ちたかのような音がしたかと思うと、下からつつき上げられるようなものすごい揺れ。本が落ちてくるのでとにかく机の下へ逃げなあかん、と思うのだが、揺れが激しくて体が動かない。揺れはますますひどくなっていき、「もうすぐ天井がくずれて私は押しつぶされて死んでまうんやなぁ、、、」って思ったのを覚えている。そのうち、揺れがおさまり、隣の母親の部屋から、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。その声の大きさと激しさと切実さは、今でもはっきり覚えている。その頃は、母親との関係は今ほど良くなかったと思うのだけれど、娘の無事を確かめるその切実な声は、改めて母親の愛情に気づかせてくれるものだった。

家は倒壊をまぬがれ、グラスや花瓶が割れた程度で済んだ。しかし、家の外に出て愕然とした。あちこちの家が倒壊していた。道路はくずれた壁石でふさがれていた。どこかで火災が起きたのか、空一面すすでどんより曇っている。これは一体、、、しばらく、目に映る光景を現実のものとして受け止められなかった。これは、ただごとじゃない、どうすればいいんやろう、、、。

神戸が壊滅状態になったことを知ったのは、それから数日がたってからのことだったと思う。水道、ガス、電気すべてのライフラインがストップし、普段当たり前だったことが当たり前でなくなった。スーパーが倒壊し、物が買えなくなった。

不便は多くなったが、このときの経験は私にとってかけがえのないものになった。多くの人の優しさに触れることができた。知らない人同士が声を掛け合い、手を取り、助け合う光景を目にし、人間は本来優しい生き物なんだということを学んだ。これは、人間関係はgive and takeで成り立っているという考えを根本から覆すものだった。この経験がなければ、今の私はいなかったかもしれない、と思うのだ。

多くの人に助けられ、今、こうして生きていられること、元気に過ごしていられることを、心から感謝したい。温かい心を向けてくれたすべての人たちに心からありがとう、と言いたい。

そして、亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。あの震災のことは絶対に忘れません。

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コメント

バタバタしていてちょっと久しぶりに覗かせて頂きました。
私のブログをこんなに素敵に紹介してくださっていて恐縮しつつ、
感激しています。ありがとうございます。
震災、本当にいい経験でした、私にとっても。
雪も凄かったようですが、ご自愛くださいね。

投稿: willseeds | 2006年1月22日 (日) 17:25

はじめまして。

すごくいろいろ学ばせていただきながらあちこち読みました。素敵なブログですね。

私も神戸出身東京在住です。
昨今のアジア諸国での自然災害に11年前(あの時は明日がないと思ったのに!)の被災者として看過できないとの思いが強くなり、今後は技術を習得の上体験を活かして、国際機関で緊急支援・復興支援活動に関わっていく!と留学を決意しました。
現在インド政府奨学金の出願のため、志望理由書/研究計画書と格闘しています。

フルブライト奨学金、おめでとうございます!!
ヘルプいただきたいくらいです!^^

投稿: うさこ | 2006年1月27日 (金) 13:24

うさこさん、コメントありがとうございます。神戸出身なんですか。何だかとてもうれしいです。あの震災では、本当にいろんなことを学びましたよね。緊急支援・復興支援は、自然災害の多い日本ではとても重要な研究課題になると思います。ぜひ、夢を実現させてください。応援しています。またお話をお聞きできるのを楽しみにしていますね。

投稿: satchy | 2006年1月27日 (金) 19:12

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