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Autonomous Learnerを育てる

Autonomous Learner(自立的学習者)、つまり、先生や友人の援助なしに、一人で問題を発見し、解決方法を考え答や結論を導くことのできる学習者のことである。教師の役割は、学習者に知識をtransmitすることであるが、長期的には、このAutonomous Learnerを育てることが教育の最も重要な目標であるべきだと思う。

Vigotskyは、Autonomous Learnerを育てるためには、学習の初期の段階で、知識の基盤となるしっかりした「足場」を築くことが大切だと述べている。この「足場を築く」活動を"Scaffolding"という。教師は、Scaffoldingにより学習者の知識の基盤を築き、徐々に、援助の手(mediation)を少なくしていく。そして、最終的に、学習者は教師の手を借りずに一人で問題を解決できる能力を獲得する。

最近、というか、ここ1年くらいずっと頭を抱えている問題は、このScaffoldingである。学生が書いたペーパーを修正する時、どのくらい丁寧に修正をしてやるべきなのか。特に書いた経験が極めて少ない大学1年生の場合、ライティングに関しては問題が多岐にわたるし(vocabulary, grammarから始まり、coherence, cohesion, unityから、organizationに至るまで)、基本的な規則(thesis statement, topic sentenceなど)がまったく分かっていない。このようなnovice writersのペーパーを直すときは、やはり、「考える機会を与える」indirective/facilitative approachよりは、「答を教える」directive/corrective approachの方が有益だと思うが、どうなんだろう。答はすぐに与えずに、考える機会を与え、学習者本人に修正をさせることが教育的であるし、最終的にそれが本人の力につながる、とも思う。

いろいろ考えながらも、最終的に私が採用するのはこのdirective/corrective approachになる。初級の学習者には、正しい形を教えてそれを習得してもらい、しっかりとした「足場」を築いてほしいと思うからだ。学生のペーパーを縦断的に分析してみると、だんだんミスも減り、教えた語法を意識的に使うよう努力しているのもよく分かる。こうやって、新しいものを吸収し、「足場」を築いていくんだと思う。

書いたものを修正するというのはとても難しい。教育の場では、editingやproofreadingはできるだけ避けるべきだろう。Better paperではなく、Better writerを育てるべきだから。でも、時には、答を教えることも必要なはず。そのあたりのバランスをどうすればいいんだろう。。。というのが、最近の悩みです。

いつの日か、「あの先生に教わりたい」と言われるようになりたい。

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コメント

僕の好きなscaffoldingという言葉をみてコメントすることにしました。netLearn English サイトはautonomous learnerに足場を与え、インターネットの英語環境での知識探求を通して英語を身につけてもらいたくて作りましたが、まだまだ問題だらけです。
添削について迷いをお持ちのように見受けますが。特に日本のlearnerは添削されることによって自信を失い、英語に対するコンプレックスを醸成してゆくひとが多いのではないでしょうか。

投稿: 伊東俊一郎 | 2006年6月 7日 (水) 10:18

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